【論文255】「精度」は二つあり、較正で消えるのは一方だけ

要旨

「精度がよい」という一語は、二つの別の量を指している。真値からのずれと、ばらつきである。本稿が問うのは、この二つが同じ操作で減らせるのかである。答は、減らせない。回数を増やすと片方だけが減り、較正するともう片方だけが減る。そして、どちらが偏りでどちらがばらつきかは、器械の性質ではなく何を繰り返すかが決めていた。新しい数学定理も新しい法則も主張しない。

第一に、道具を自前で組んで既知の値と照合した。$\mathrm{MSE}=b^2+\sigma^2$ を乱数 $10^6$ 回で確かめると $\mathbf{0.042462}$ であり、理論値 $0.042500$ と小数第4位まで一致する(第2節)。

第二に、これが本稿の芯である。回数で減るのは片方だけである。偏り $0.05$、ばらつき $0.20$ の器械を $10^6$ 回平均しても、誤差は $\mathbf{0.050000}$ で止まる。$0.05$ を下回ることは決してない(第3節)。

第三に、同じ誤差の二台が、平均すると別れる。$n=1$ ではどちらも $0.206155$ だが、$n=10^4$ では $\mathbf{0.050040}$ と $\mathbf{0.200001}$ になる。$3.9968$ 倍である(第4節)。

第四に、較正が消すのは偏りだけである。同じ較正が $n=1$ では $1.0308$ 倍しか効かず、$n=10^4$ では $\mathbf{25.02}$ 倍効く。効き目が $24$ 倍違う(第5節)。

第五に、較正には代価がある。標準器を $m$ 回しか読まなければ、較正は自分の誤差を持ち込む。$m\le 16$ では、較正しないほうが正確であった(第5節)。

第六に、何が偏りかは、何を繰り返すかが決めている。同じ $100$ 回でも、$1$ 試験所で $100$ 回なら $0.350571$、$100$ 試験所で $1$ 回ずつなら $\mathbf{0.040311}$ である。$\mathbf{8.70}$ 倍違う(第7節)。

射程(何を示さないか)

新しい数学定理も新しい法則も主張しない。平均二乗誤差が偏りの二乗と分散に分かれること、標本平均の分散が $\sigma^2/n$ であること、一様量子化の誤差分散が $q^2/12$ であること、分散が階層に分かれることは、いずれも標準的である。測定の理論を作らない。使うのは一つの分解式と、二つの分散の足し算と、乱数だけである。推定量の理論に入らない。不偏性・有効性・クラメール=ラオの柵は論文133 と171 が扱う。本稿が見るのは推定量ではなく器械であり、ここでの偏りは標本の性質ではなく器械の持ち物である。逆問題に入らない。論文106 と159 が扱う。本稿は真値が既知の設定だけを順方向に見る。規格の条文を解釈しない。用語が二つに分かれている事実の傍証として引くだけであり、適合性の判定を論じない。日本語の訳語を一つに決めない。「精度」「確度」「真度」「精密度」「正確さ」の対応は文献によって異なる。本稿はこの不一致を直そうとせず、記号 $b$ と $\sigma$ で書き分ける。正規分布を仮定しない。第2節の分解は恒等式であって、分布の形に依らない。乱数は分解の確認に使うだけである。数値は乱択と離散化を含む、モンテカルロは $10^6$ 回、ディザの試行は $200$ 回、分解能は $q=0.10$、乱数の種は固定である。既刊との関係:論文133 はクラメール=ラオの柵が不偏性であることを示した。本稿はその柵の外側、偏りが残る場合を数で追う。論文171 は不偏性と有効性が別の性質であると並べた。本稿は同じ二つを、推定量ではなく器械について書く。論文106 はウィーナーのフィルタが平均二乗誤差を最小にすることを扱った。本稿は同じ $\mathrm{MSE}$ を、最小化ではなく分解の側から見る。論文112 は分解能を六つの別根の一つに数えた。本稿の第6節は、その分解能が回数で減らないという一点で偏りと同じ振る舞いをすることを見る。論文190 は「稀」を対数の目盛りで測った。本稿も、届かない極限を倍率ではなくどの $n$ で交差するかで書く。論文232 は同じ等号が四つの別の主張を書いていることを数えた。本稿は同じ「精度」が二つ以上の別の量を書いていることを数える。論文186 は代理を目標にすると代理でなくなることを示した。本稿の第7節は、繰り返しの単位を変えると偏りとばらつきが入れ替わることを見る。加えたのは$\mathrm{MSE}$ の分解を自前で組んで乱数と照合したこと、較正の損益分岐点を $m=16.67$ という具体的な数で出したこと、同じ較正の効き目が $n$ によって $1.03$ 倍から $25.02$ 倍まで変わることを見たこと、同じ $100$ 回の割り方で $8.70$ 倍の差が出ることを計算したこと、「偏りかばらつきか」が器械ではなく繰り返しの単位で決まると書いたことである。

1. 記法と位置づけ

設定:真値 $\theta$ の量を、一台の器械で測る。読みを

$$X = \theta + b + \varepsilon,\qquad E[\varepsilon]=0,\quad \mathrm{sd}(\varepsilon)=\sigma$$

と書く。$b$ は毎回同じ向きにずれる分であり、$\varepsilon$ は毎回変わる分である。

問い:この二つは、同じ操作で減らせるのか。

答は、減らせない。回数を増やすと $\sigma$ だけが減り、較正すると $b$ だけが減る。二つの取っ手があり、それぞれ別のものに繋がっている。

用語について:英語では accuracy が trueness と precision に分けられている。日本語の訳語の割り当ては文献によって異なる。「精度」が総称のこともあれば、ばらつきだけを指すこともある。本稿は訳語を決めず、記号 $b$ と $\sigma$ で書く。訳語の不一致それ自体が、一語が二つを指していることの傍証である。

2. 道具を自前で組み、既知の値と照合する

検算 2.1:$b=0.05$、$\sigma=0.20$ とし、$E[(X-\theta)^2]$ を乱数で数える。比べる相手は $b^2+\sigma^2 = 0.042500$ である。

試行回数 乱数による値 理論値との差
$10^5$ $0.042206$ $-0.000294$
$10^6$ $\mathbf{0.042462}$ $\mathbf{-0.000038}$

観察 2.2 $10^6$ 回で差は $0.000038$ である。以下で使う道具は、これで較正できている。

観察 2.3:この分解は恒等式である。

$$E[(X-\theta)^2] \;=\; \bigl(E[X]-\theta\bigr)^2 + \mathrm{Var}(X) \;=\; b^2+\sigma^2 .$$

分布の形を一切使っていない。正規分布は仮定していない。論文171 が最小二乗の柵を正規性ではなく線形性だと書いたのと、同じ構図である:ここでも効いているのは分布ではなく、期待値と分散の定義だけである。

3. 芯:回数で減るのは一方だけ

設定:同じ器械で $n$ 回測り、平均する。偏りは平均しても $b$ のまま、ばらつきは $\sigma/\sqrt{n}$ に縮む。

検算 3.1:$b=0.05$、$\sigma=0.20$ で数える。最後の列は $\sqrt{b^2+\sigma^2/n}$ である。

$n$ 偏り ばらつき 誤差
$1$ $0.0500$ $0.200000$ $0.206155$
$4$ $0.0500$ $0.100000$ $0.111803$
$16$ $0.0500$ $\mathbf{0.050000}$ $0.070711$
$100$ $0.0500$ $0.020000$ $0.053852$
$10^4$ $0.0500$ $0.002000$ $0.050040$
$10^6$ $0.0500$ $0.000200$ $\mathbf{0.050000}$

観察 3.2 左の列は動かない。$n$ を $10^6$ 倍にしても $0.05$ のままである。回数はこの列に触れない。

検算 3.3:目標の誤差に届くのに要る回数を、逆に解く。$n = \sigma^2/(\text{目標}^2-b^2)$ である。

目標の誤差 要る回数
$0.070711$ $16$
$0.055$ $77$
$0.051$ $397$
$0.0501$ $3997$
$0.05001$ $39997$
$0.05$ どれだけ増やしても届かない

観察 3.4 $0.05$ に近づくほど、要る回数が桁で増える。一桁近づくたびに回数がおよそ $10$ 倍になり、$0.05$ そのものでは分母が $0$ になる。これは「遅い」ではなく「届かない」である。

観察 3.5 交差点は $n^{*}=\sigma^2/b^2$ である。ここでは $0.04/0.0025=\mathbf{16}$、$n<16$ ではばらつきが大きく、$n>16$ では偏りが大きい。どちらを先に直すべきかは、何回測るつもりかで入れ替わる。

観察 3.6 倍率で書かない。「偏りはばらつきより何倍悪いか」は $n$ に依存して動くので、一つの数にならない。書くべきはどの $n$ で交差するかである(論文190 と同じ書き方)。

4. 同じ誤差の二台が、平均すると別れる

設定:二台の器械を用意する。A は $b=0.05$、$\sigma=0.20$。B は $b=0.20$、$\sigma=0.05$。$n=1$ では、二台の誤差は同じである。

検算 4.1:

$n$ A の誤差 B の誤差 比
$1$ $0.206155$ $0.206155$ $\mathbf{1.0000}$
$10$ $0.080623$ $0.200624$ $2.4884$
$100$ $0.053852$ $0.200062$ $3.7151$
$10^4$ $\mathbf{0.050040}$ $\mathbf{0.200001}$ $\mathbf{3.9968}$
$\infty$ $0.050000$ $0.200000$ $4.0000$

観察 4.2 仕様書に載る一回の誤差が同じでも、使い方が違えば $4$ 倍違う。「精度」を一つの数で書いた仕様書は、この差を書けない。

検算 4.3:四通りの器械について、$10^4$ 回平均が何倍効くかを数える。

器械 $b$ $\sigma$ $n=1$ の誤差 平均の効き目
偏り小・ばらつき小 $0.01$ $0.02$ $0.022361$ $2.2356$ 倍
偏り小・ばらつき大 $0.01$ $0.50$ $0.500100$ $\mathbf{44.7303}$ 倍
偏り大・ばらつき小 $0.50$ $0.02$ $0.500400$ $\mathbf{1.0008}$ 倍
偏り大・ばらつき大 $0.50$ $0.50$ $0.707107$ $1.4141$ 倍

観察 4.4 二台目と三台目は、$n=1$ の誤差が $0.500100$ と $0.500400$ でほとんど同じである。だが同じ $10^4$ 回の平均が、一方には $44.73$ 倍効き、他方には $1.0008$ 倍しか効かない。同じ操作の見返りが $\mathbf{44}$ 倍違う。

観察 4.5 分離子、何を動かすと別物になるか。一回の誤差ではなく、その誤差の内訳である。内訳を書かずに一つの数だけ渡すと、次に何をすべきかが決められない。

5. 較正で消えるのはどちらか、そして較正の代価

設定:真値の分かっている標準器を測り、ずれを引く。これが較正である。

検算 5.1:偏りが完全に分かっている理想の場合。$b=0.05\to 0$ となり、$\sigma$ は $0.20$ のまま動かない。

$n$ 較正前 較正後 効き目
$1$ $0.206155$ $0.200000$ $\mathbf{1.0308}$ 倍
$10^4$ $0.050040$ $0.002000$ $\mathbf{25.02}$ 倍

観察 5.2 同じ較正の効き目が、$n$ によって $1.03$ 倍から $25.02$ 倍まで変わる。一回しか測らないなら較正はほとんど効かず、$10^4$ 回測るなら較正が効き目のほぼ全部である。較正の価値は器械ではなく、これから何回測るかが決めている。

検算 5.3:現実の較正は、標準器を $m$ 回読んでずれを推定する。推定した分だけ新しい誤差が入る:$\sigma^2/m + u^2$ である($u=0.01$ は標準器そのものの不確かさ)。これを、較正しない場合の $b^2=0.0025$ と比べる。

$m$ 持ち込む誤差 $b^2$ と比べて 較正後の下限
$4$ $0.01010000$ 悪化 $0.100499$
$9$ $0.00454444$ 悪化 $0.067412$
$16$ $0.00260000$ 悪化 $0.050990$
$17$ $0.00245294$ 改善 $\mathbf{0.049527}$
$25$ $0.00170000$ 改善 $0.041231$
$100$ $0.00050000$ 改善 $0.022361$
$10^4$ $0.00010400$ 改善 $\mathbf{0.010198}$

観察 5.4 損益分岐は $m=\sigma^2/(b^2-u^2)=\mathbf{16.67}$ である。標準器を $16$ 回以下しか読まないなら、較正しないほうが正確であった。較正は無条件に良くする操作ではない。

観察 5.5 $m$ をいくら増やしても、下限は $u=0.01$ で止まる。標準器そのものの不確かさは、こちらの回数では動かせない。較正は偏りを消すのではなく、自分の偏りを標準器の偏りに置き換えている。

観察 5.6 二つの取っ手は交わらない。回数は $\sigma$ にしか繋がっておらず、較正は $b$ にしか繋がっていない。片方をいくら回しても、もう片方の下限は動かない。

6. 回数で減らないのは、偏りだけではない

設定:目盛りの刻みが $q=0.10$ の表示器で、真値 $20.037$ を読む。読みは最も近い目盛りに丸められる。

検算 6.1:ばらつきのない理想の器械で、同じ値を何度も読む。

測る回数 平均した読み 誤差
$1$ $20.000000$ $-0.037000$
$100$ $20.000000$ $-0.037000$
$10^6$ $20.000000$ $\mathbf{-0.037000}$

観察 6.2 一度も減らない。ばらつきが $0$ なので、平均しても同じ値が返るだけである。分解能による誤差は、ここでは完全に偏りとして振る舞っている。

検算 6.3:同じ表示器に、標準偏差 $\sigma=0.20$ のばらつきを加えてから読む($\sigma$ は刻み $q$ の $2$ 倍である)。$200$ 回の試行で誤差を測る。

測る回数 誤差 $\sigma/\sqrt{n}$
$1$ $0.199772$ $0.200000$
$100$ $0.020192$ $0.020000$
$10^4$ $\mathbf{0.002142}$ $0.002000$

観察 6.4 今度は $\sqrt{n}$ で減る。ばらつきを足したほうが、平均した答は真値に近づく。同じ表示器の同じ刻みが、偏りにもばらつきにもなった。

観察 6.5 分けたのは器械ではない。ばらつきが刻みより大きいかどうかである。$\sigma=0$ なら偏りとして、$\sigma\gg q$ ならばらつきとして振る舞う。論文112 は分解能を六つの別根の一つに数えた。本節が足すのは、その分解能が偏りの側にもばらつきの側にも移るという一点である。

7. 何が偏りかは、何を繰り返すかが決めている

設定:同じ試料を、複数の試験所が測る。ばらつきが二階建てになる:一つの試験所の中で繰り返したときのばらつき $\sigma_r$ と、試験所ごとの癖 $\sigma_L$ である。合わせたものを $\sigma_R$ と書く。

検算 7.1:$\sigma_r=0.20$、$\sigma_L=0.35$ とする。

量 値
一つの試験所の中のばらつき $\sigma_r$ $0.200000$
試験所ごとの癖 $\sigma_L$ $0.350000$
合わせたもの $\sigma_R=\sqrt{\sigma_L^2+\sigma_r^2}$ $\mathbf{0.403113}$
比 $\sigma_R/\sigma_r$ $2.015564$

検算 7.2:一つの試験所の中で回数を増やす。

$n$ 真値からの誤差
$1$ $0.403113$
$4$ $0.364005$
$16$ $0.353553$
$100$ $0.350571$
$10^4$ $\mathbf{0.350006}$

観察 7.3 $0.35$ で止まる。一つの試験所の中に立っている限り、試験所の癖は偏りである。回数では減らない。第3節の表と、同じ形をしている。

検算 7.4:同じ $100$ 回を、試験所と回数にどう割るかだけを変える。総回数はどの行も $100$ である。

割り方 総回数 誤差
$1$ 試験所 $\times$ $100$ 回 $100$ $\mathbf{0.350571}$
$2$ 試験所 $\times$ $50$ 回 $100$ $0.248294$
$5$ 試験所 $\times$ $20$ 回 $100$ $0.157797$
$10$ 試験所 $\times$ $10$ 回 $100$ $0.112472$
$25$ 試験所 $\times$ $4$ 回 $100$ $0.072801$
$100$ 試験所 $\times$ $1$ 回 $100$ $\mathbf{0.040311}$

観察 7.5 同じ $100$ 回で、$\mathbf{8.70}$ 倍違う。測った回数は同じで、費やした手間も同じである。違うのは何を繰り返したかだけである。

観察 7.6 これが本稿の芯である。試験所の癖 $\sigma_L$ は、一つの試験所の中に立てば偏りであり(回数で減らない)、試験所をまたいで立てばばらつきである(試験所数で減る)。同じ一つの量が、どちらにもなる。「偏りか、ばらつきか」は器械の性質ではなく、繰り返しの単位をどこに置いたかである。

観察 7.7 正直に書くべき点、全試験所が同じ標準器に較正すれば、$\sigma_L$ は縮む。だがそれは、試験所間のずれが偏りの集まりだったことを意味している。縮まずに残った分が、その階層での本当のばらつきである。較正は、この二つを分ける実験でもある。

8. 点呼と結び

量 回数で減るか 較正で減るか
偏り $b$ いいえ はい
一つの試験所の中のばらつき $\sigma_r$ はい いいえ
試験所ごとの癖 $\sigma_L$ 繰り返しの単位による 共通の標準器なら縮む
分解能 $q$ ばらつきの大きさによる いいえ

観察 8.1 四行のうち、答が「はい/いいえ」で書けるのは上の二行だけである。下の二行は、条件によってどちらにもなる。

  1. 道具は較正した(検算2.1):$10^6$ 回で理論値との差 $0.000038$。
  2. 分解は恒等式である(観察2.3):分布の形を使っていない。
  3. 回数で減るのは一方だけ(検算3.1):$10^6$ 回平均しても $0.050000$ で止まる。
  4. 交差点は $n^{*}=16$(観察3.5):どちらを先に直すかは $n$ で入れ替わる。
  5. 同じ誤差の二台が別れる(検算4.1):$n=10^4$ で $3.9968$ 倍。
  6. 平均の見返りが $44$ 倍違う(検算4.3):$44.7303$ 倍と $1.0008$ 倍。
  7. 較正の効き目は $n$ が決める(検算5.1):$1.0308$ 倍と $25.02$ 倍。
  8. 較正の損益分岐は $m=16.67$(観察5.4):$16$ 回以下なら較正しないほうが正確。
  9. 分解能は両側に移る(検算6.1・6.3):$-0.037000$ のまま、または $\sqrt{n}$ で減る。
  10. 同じ $100$ 回で $8.70$ 倍(検算7.4):$0.350571$ と $0.040311$。

結び:「精度がよい」は、一つのことを言っていなかった。真値からのずれと、ばらつきである。前者は回数で減らず、後者は較正で減らない。二つの取っ手は交わらず、片方をいくら回してももう片方の下限は動かない。そして、どちらが偏りでどちらがばらつきかは、器械の持ち物ではなかった。ばらつきを足せば分解能はばらつきに変わり、繰り返す単位を試験所に移せば試験所の癖はばらつきに変わる。分けるものは一つ、何を繰り返すのかを書き出すこと。書き出せば、次に回すべき取っ手がどちらなのかが決まる。書き出さなければ、$100$ 回測っても $8.70$ 倍損をしていることに気づけない。

参考文献

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  8. 山岸勇輝 (2026). 雑音から信号を取り出す [論文106]. Zenodo. 10.5281/zenodo.21836984
  9. 山岸勇輝 (2026). 割り当てられた領域と、その中の自由 [論文112]. Zenodo. 10.5281/zenodo.21962834
  10. 山岸勇輝 (2026). フィッシャー計量が一意なのは、古典の側だけである [論文133]. Zenodo. 10.5281/zenodo.22080550
  11. 山岸勇輝 (2026). 「不適切」は一語ではない [論文159]. Zenodo. 10.5281/zenodo.22092229
  12. 山岸勇輝 (2026). 最小二乗を囲っている柵は、正規分布ではなく線形性である [論文171]. Zenodo. 10.5281/zenodo.22094287
  13. 山岸勇輝 (2026). 代理を目標にすると、代理でなくなる [論文186]. Zenodo. 10.5281/zenodo.22105530
  14. 山岸勇輝 (2026). 「稀」は、対数の目盛りで測る [論文190]. Zenodo. 10.5281/zenodo.22106182
  15. 山岸勇輝 (2026). 証明を落とした本から学ぶと、等号の身分も一緒に落ちる [論文232]. Zenodo. 10.5281/zenodo.22127528

作成にあたって:本稿の着想と内容は、著者自身の考察に基づくものです。文章の構成整理や英訳、数式の確認には AI(大規模言語モデル)の助力を得ました。最終的な内容の解釈や誤りがあれば、それらはすべて著者の責に帰します。お気づきの点があれば、ご教示いただければ幸いです。

書誌

山岸勇輝(2026)「「精度」は二つあり、較正で消えるのは一方だけ」[論文255]. Zenodo.
DOI: 10.5281/zenodo.22168883

YOI 255第1版・2026年8月ビットコインに記録済み

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引用するとき

山岸勇輝 (2026). 「精度」は二つあり、較正で消えるのは一方だけ [論文255]. YOI: https://www.yamagishiyuuki.com/yoi/255 ・ DOI: 10.5281/zenodo.22168883

Yamagishi, Y. (2026). “Accuracy” Is Two Things, and Calibration Removes Only One [Paper 255]. YOI: https://www.yamagishiyuuki.com/yoi/255; DOI: 10.5281/zenodo.22168883

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