【論文996】足の着く時間を入れると縄跳びに要る高さは下がり、二重跳びと一重跳びの高さの比は四倍を超える

要旨

二重跳びに要る高さは一重跳びの四倍で、回す速さを二倍にすれば一重と同じ高さで跳べる(論文881)。そこでは、着地してから跳び上がるまでの足の着いている時間を入れなかった。本稿は、881 の縄跳びに足の着いている時間を足し、一重・二重・三重に要る高さと、跳べる条件を出す。新しい定理も法則も主張しない。

第一に、足の着く時間を入れると、要る高さは下がる。毎秒 2 回まわすとき、足の着く時間 0・0.1・0.2・0.3 秒で一重跳びは $0.306563$・$0.196200$・$0.110363$・$\mathbf{0.049050}$ m、二重跳びは $1.226250$・$0.993263$・$0.784800$・$0.600862$ m だった(第2節)。

第二に、二重跳びと一重跳びの高さの比は四倍を超える。比は毎秒 2 回で $4.000000$・$5.062500$・$\mathbf{7.111111}$・$12.250000$ と上がり、どの組でも ((2 − 回す速さ×足の着く時間)/(1 − 回す速さ×足の着く時間))² と一致した(第2節)。

第三に、足の着く時間が縄の一回りより長いと跳べない。毎秒 4 回(一回り 0.2500 秒)で足の着く時間 0.3 秒、毎秒 6 回(0.1667 秒)で 0.2 秒と 0.3 秒は、一重も二重も跳べなかった(第3節)。

第四に、回す速さを二倍にすれば同じ高さ、は足の着く時間が同じなら残る。毎秒 4 回の二重跳びと毎秒 2 回の一重跳びは、足の着く時間 0.05 秒でどちらも $\mathbf{0.248316}$ m で、比べたすべての組で一致した(第4節)。

第五に、分離子は、足の着く時間が縄の一回りより短いか、長いか。短いうちは足の着く時間の分だけ空中の時間が減って高さが下がり、比は四倍から離れた。一回りに近づくと一重跳びの高さは 0 に近づき(毎秒 3 回・0.3 秒で $0.001362$ m)、比は $121.000000$ まで上がった(第5節)。

キーワード:縄跳び、二重跳び、足の着く時間、滞空時間、跳ぶ高さ、投げ上げ。

射程(何を示さないか)

新しい定理も法則も主張しない。跳ぶ高さと滞空時間の関係、縄が一回の跳躍のあいだに回る回数と滞空時間の関係、跳ぶ人が地面に着いている時間があることは、いずれも投げ上げの力学と縄跳びの観察で知られている。置いた値である。回す速さ毎秒 2・3・4・6 回と重力の加速度は論文881 の値で、足の着く時間 0〜0.3 秒は本稿で置いた。どの選手の記録にも対応しない。足の着く時間を一定とする。足の着く時間は跳び方や高さによらず一定とし、縄は一定の速さで回り、縄がくぐる瞬間は空中の時間の中に収まればよいとした。縄のたるみ、空気抵抗、腕の動きは入れない。練習法を勧めない。どう跳ぶべきかは述べない。既刊との関係:論文881 の射程注記は、足の着いている時間を入れず、着地してから跳び上がるまでの時間、縄のたるみ、空気抵抗は入れないと書いた。本稿はそのうち足の着いている時間の席に座る(先客なし。論文947 は論文881 の縄の形の側を扱い、同じ時間を入れなかった)。論文881 は、二重跳びに要る高さは一重跳びの四倍で、回す速さを二倍にすれば一重と同じ高さで跳べることを示した。ここでは、足の着く時間を足すと、四倍と同じ高さがどう変わるかを数える。加えたのは、四つの回す速さと六つの足の着く時間で一重・二重・三重の高さを出したこと、高さの比が一つの式と一致すると確かめたこと、跳べない組を足の着く時間と縄の一回りで分けたこと、二倍の速さで同じ高さが残ることを確かめたこと、分離子を「足の着く時間と縄の一回り」に置いたことである。

1. 記法と問い

設定:論文881 と同じく、縄を毎秒 $\omega$ 回まわし、一回の跳躍のあいだに $k$ 回くぐり、重力の加速度を $g=9.81$ m/s² とする。足が地面に着いている時間を $t_c$ とする。縄は足が着いているあいだも回るので、跳躍の一回りの時間 $k/\omega$ のうち空中にいる時間と高さは

$$t=\frac{k}{\omega}-t_c,\qquad h=\frac{g\,t^{2}}{8}$$

である。$k$ 回のくぐりは $1/\omega$ ずつ離れているので、全部が空中に収まるには $t\ge(k-1)/\omega$、つまり $t_c\le 1/\omega$ が要る。$\omega=2$・3・4・6、$t_c=0$・0.05・0.1・0.15・0.2・0.3 秒、$k=1$・2・3 で数えた。

問い:足の着く時間を入れると、二重跳びに要る高さと、一重跳びとの比はどう変わるか。

2. 高さと比

計算 2.1:毎秒 2 回(一回り 0.5000 秒)。

足の着く時間 一重(m) 二重(m) 三重(m) 二重÷一重
0 秒 $0.306563$ $1.226250$ $2.759062$ $4.000000$
0.05 秒 $0.248316$ $1.106691$ $2.578191$ $4.456790$
0.1 秒 $0.196200$ $0.993263$ $2.403450$ $5.062500$
0.15 秒 $0.150216$ $0.885966$ $2.234841$ $5.897959$
0.2 秒 $0.110363$ $0.784800$ $2.072363$ $\mathbf{7.111111}$
0.3 秒 $\mathbf{0.049050}$ $0.600862$ $1.765800$ $12.250000$

足の着く時間 0 の値は論文881 と同じである。どの回す速さと足の着く時間の組でも、二重÷一重は $((2-\omega t_c)/(1-\omega t_c))^2$ と $10^{-9}$ 以内で一致した。

観察 2.2 足の着く時間が長いほど高さは下がり、比は上がる。足の着く時間の分だけ空中にいる時間が短くなる。一重の空中の時間は $1/\omega-t_c$、二重は $2/\omega-t_c$ で、引かれる $t_c$ は同じなので、一重のほうが割合として多く縮む。

3. 跳べない組

計算 3.1:ほかの回す速さ(なしは跳べない)。

毎秒 一回り(秒) 足の着く時間 一重(m) 二重(m) 二重÷一重
3 回 $0.3333$ 0.2 秒 $0.021800$ $0.267050$ $12.250000$
3 回 $0.3333$ 0.3 秒 $0.001362$ $0.164862$ $121.000000$
4 回 $0.2500$ 0.2 秒 $0.003066$ $0.110363$ $36.000000$
4 回 $0.2500$ 0.3 秒 なし なし なし
6 回 $0.1667$ 0.15 秒 $0.000341$ $0.041216$ $121.000000$
6 回 $0.1667$ 0.2 秒 なし なし なし

足の着く時間が縄の一回りより長い組は、どれも一重・二重・三重とも跳べなかった。

4. 二倍の速さで同じ高さ

計算 4.1:毎秒 $2\omega$ 回の二重跳びの空中の時間は $2/(2\omega)-t_c=1/\omega-t_c$ で、毎秒 $\omega$ 回の一重跳びと同じである。毎秒 4 回の二重と毎秒 2 回の一重は、足の着く時間 0.05 秒でどちらも $0.248316$ m、0.1 秒で $0.196200$ m、毎秒 6 回の二重と毎秒 3 回の一重は 0.05 秒でどちらも $0.098441$ m で、比べたすべての組で $10^{-12}$ 以内で一致した。

観察 4.2 同じ高さは残るが、跳べる足の着く時間は短くなる。毎秒 2 回の一重は足の着く時間 0.3 秒でも跳べた($0.049050$ m):同じ高さのはずの毎秒 4 回の二重は、一回り 0.2500 秒より長い 0.3 秒では跳べなかった。

5. 分離子

観察 5.1 分離子は、足の着く時間が縄の一回りより短いか、長いか。短いうちは、足の着く時間は空中の時間を同じだけ減らし、高さを下げ、比を四倍から離した。一回りに近づくと一重跳びの空中の時間は 0 に近づき、毎秒 3 回・0.3 秒で一重 $0.001362$ m、比 $121.000000$ だった。一回りを超えると、縄が足の着いているあいだに足の下を通るので跳べない。

観察 5.2 言わないこと。足の着く時間を跳び方や高さで変えること、縄のたるみ、空気抵抗、腕の動き、どう跳ぶべきか、実在の選手の値は扱わない。示したのは、一定の足の着く時間を足すと、二重跳びに要る高さと一重との比がどう変わり、いつ跳べなくなるかである。

6. 点呼と結び

  1. 空中の時間 = 回る時間 − 足の着く時間(第1節):くぐりが空中に収まる条件。
  2. 一重は 0.3 秒で $\mathbf{0.049050}$ m(計算 2.1):高さは下がる。
  3. 二重÷一重 $\mathbf{7.111111}$(0.2 秒)(計算 2.1):四倍を超える。
  4. 一回りより長いと跳べない(計算 3.1):毎秒 4 回で 0.3 秒。
  5. 二倍の速さの二重は同じ $\mathbf{0.248316}$ m(計算 4.1):足の着く時間が同じなら残る。
  6. 足の着く時間と縄の一回り(観察 5.1):分離子・論文881 の射程注記。

結び:足の着く時間を入れると縄跳びに要る高さは下がり、二重跳びと一重跳びの高さの比は四倍を超える。881 の縄跳びに足の着く時間を足すと、毎秒 2 回で一重は 0.3 秒のとき $0.049050$ m に下がり、二重÷一重は 0.2 秒で $7.111111$ になった。足の着く時間が縄の一回りより長い組は跳べず、毎秒 2 倍の二重跳びは、足の着く時間が同じなら一重と同じ高さ(0.05 秒で $0.248316$ m)だった。分離子は、足の着く時間が縄の一回りより短いか、長いか。既刊との位置:論文881 が空中の時間だけで数えた縄跳びに、論文881 が入れなかった足の着いている時間を足した。正直に言えば、足の着く時間を一定と置いた一つの式で、高さを数えた。足の着く時間で高さと比がどう変わり、いつ跳べなくなるか、そこまでである。

参考文献

  1. 山岸勇輝 (2026). 『二重跳びに要る高さは一重跳びの四倍で、回す速さを二倍にすれば一重と同じ高さで跳べる』[論文881]. YOI: https://www.yamagishiyuuki.com/yoi/881
  2. 山岸勇輝 (2026). 『回る縄の形は懸垂線ではなく、浅ければ正弦の弧に、大きく開けば放物線に近い』[論文947]. YOI: https://www.yamagishiyuuki.com/yoi/947

作成にあたって:本稿の着想と内容は、著者自身の考察に基づくものです。文章の構成整理や英訳、数式の確認には AI(大規模言語モデル)の助力を得ました。最終的な内容の解釈や誤りがあれば、それらはすべて著者の責に帰します。お気づきの点があれば、ご教示いただければ幸いです。

書誌

山岸勇輝(2026)「足の着く時間を入れると縄跳びに要る高さは下がり、二重跳びと一重跳びの高さの比は四倍を超える」[論文996]. YOI: https://www.yamagishiyuuki.com/yoi/996

YOI 996第1版・2026年9月ビットコインに記録済み

日付の証拠(OpenTimestamps):日本語版の .ots・英語版の .ots・SHA256SUMS

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引用するとき

山岸勇輝 (2026). 足の着く時間を入れると縄跳びに要る高さは下がり、二重跳びと一重跳びの高さの比は四倍を超える [論文996]. YOI: https://www.yamagishiyuuki.com/yoi/996

Yamagishi, Y. (2026). With Ground Contact Time, Jump Rope Needs Less Height, and a Double Under Needs More Than Four Times a Single [Paper 996]. YOI: https://www.yamagishiyuuki.com/yoi/996

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  author = {Yamagishi, Yuuki},
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