【論文898】二点を一度ずつ覆う三つ組は、15 点までは点の数を 6 で割った余りが 1 か 3 のときだけ在る

要旨

点をいくつか並べて、どの二点もちょうど一度ずつ同じ三つ組に入るように組を作る問いは、点の数ごとに一つずつ試すしかない、と思いやすい。本稿は、点 $3$ から $15$ まで三つ組の集まりを探し、在るか無いかが何で決まるかを数える。新しい定理も法則も主張しない。

第一に、見つかるのは五つの点の数だけである。点 $3$ から $15$ のうち、三つ組の集まりが見つかったのは $3$・$7$・$9$・$13$・$15$ だけだった(第2節)。

第二に、これが本稿の芯である。在るか無いかは、点の数を $6$ で割った余りで決まる。見つかった五つはどれも余りが $1$ か $3$ で、見つからなかった八つはどれも余りが $0$・$2$・$4$・$5$ だった(第2節)。

第三に、無いのは、どれも割り算で説明がつく。点 $5$・$8$・$11$・$14$ は三つ組の数が $\mathbf{3.333333}$・$\mathbf{9.333333}$・$\mathbf{18.333333}$・$\mathbf{30.333333}$ と整数にならず、点 $4$・$6$・$8$・$10$・$12$・$14$ は一つの点の相手の数が奇数である(第2節)。

第四に、在るときの数は少なくない。番号付きで数えると、点 $7$ で $30$ 通り、点 $9$ で $840$ 通りである(第3節)。

第五に、同型を除けば、どちらも一通りである。見つけた一つに番号の付け替えを全部当てると、違う集まりはちょうど $30$ と $840$ 出て、付け替えても変わらない付け替えは $168$ 個と $432$ 個だった(第3節)。

第六に、分離子は、割り算の条件で無いのか、条件を満たしても無いのかである。$15$ までは、無いものはすべて割り算の条件で無く、条件を満たして無いものは一つも無かった(第4節)。

キーワード:シュタイナーの三つ組系、組合せ設計、二点の組、6 で割った余り、同型、カークマン。

射程(何を示さないか)

新しい定理も法則も主張しない。どの二点もちょうど一つの三つ組に入る集まり(シュタイナーの三つ組系と呼ばれる)が、点の数を $6$ で割った余りが $1$ か $3$ のときちょうど在ることは、カークマン($1847$)以来の既知の定理である。点 $7$ で $30$ 通り、点 $9$ で $840$ 通り、同型を除けば一通りであることも既知である。定理を証明しない。余りが $1$ か $3$ のすべての点の数で組を作る方法は再現せず、点 $3$ から $15$ までを探しただけである。$16$ 以上は探さない。点の数が増えたときの数え上げは扱わない。使い道を扱わない。実験計画や試合の組み合わせへの使い方は扱わない。既刊との関係:論文604 は、$6$ 次のラテン方陣には直交する相手が一つも無いことを数え、オイラーの予想($4$ で割って $2$ 余る次数には組が無い)が外れる側は既知の結果として述べた。本稿はその隣に置く。あちらは、計算した範囲では当たっていた余りの条件が、その外で外れることが知られていた。ここでは、余りの条件が $15$ までのすべてで当たり、その先もカークマンの定理として当たることが知られている。加えたのは、点 $3$ から $15$ まで在るか無いかを探したこと、無いものがすべて割り算の条件で説明されることを並べたこと、点 $7$ と $9$ の数を二通りの出し方で確かめたこと、分離子を「条件で無いか、条件を満たしても無いか」に置いたことである。

1. 記法と問い

設定:点が $v$ 個あり、三点ずつの組をいくつか選ぶ。どの二点もちょうど一つの組に入るとき、その集まりを三つ組の系と呼ぶ。一つの組は三つの二点を覆うので、二点の組の数は $3$ で割り切れなければならない。また一つの点の相手 $v-1$ 個は、その点を含む組ごとに二つずつ覆われるので、偶数でなければならない。

$$\text{二点の組の数}=\frac{v(v-1)}{2},\qquad
\text{三つ組の数}=\frac{v(v-1)}{6},\qquad
v-1\ \text{は偶数}$$

探し方は、まだ覆われていない二点のうち番号のいちばん小さいものを取り、三点目を順に試して、覆えなくなったら戻る。点 $7$ と $9$ ではすべての系を数え、ほかの点の数では一つ見つかるか、探し切るまで調べた。

問い:三つ組の系が在るか無いかは、点の数ごとに試すしかないのか。

2. 在る点の数と無い点の数

計算 2.1:点 $3$ から $15$ まで、三つ組の系を探した。

点の数 $6$ で割った余り 三つ組の数 相手の数 見つかったか
$3$ $3$ $1.000000$ $2$ 在る
$4$ $4$ $2.000000$ $3$ 無い
$5$ $5$ $3.333333$ $4$ 無い
$6$ $0$ $5.000000$ $5$ 無い
$7$ $1$ $7.000000$ $6$ 在る
$8$ $2$ $9.333333$ $7$ 無い
$9$ $3$ $12.000000$ $8$ 在る
$10$ $4$ $15.000000$ $9$ 無い
$11$ $5$ $18.333333$ $10$ 無い
$12$ $0$ $22.000000$ $11$ 無い
$13$ $1$ $26.000000$ $12$ 在る
$14$ $2$ $30.333333$ $13$ 無い
$15$ $3$ $35.000000$ $14$ 在る

観察 2.2 これが本稿の芯である。在るか無いかは、点の数を $6$ で割った余りで決まる。見つかったのは $3$・$7$・$9$・$13$・$15$ の五つで、どれも余りが $1$ か $3$ である。無い八つは、三つ組の数が整数にならない(点 $5$・$8$・$11$・$14$)か、相手の数が奇数である(点 $4$・$6$・$8$・$10$・$12$・$14$)。この二つの割り算の条件を両方満たすのは、余りが $1$ か $3$ のときちょうどである。点 $11$ だけは無いことを探し切るのに $20$ 秒を超え、ほかの点の数は $1$ 秒未満だった。

3. 在るときの数

計算 3.1:点 $7$ と $9$ で、番号付きの三つ組の系をすべて数えた。別の出し方として、探し方を変えて一つ見つけ、点の番号の付け替え(点 $7$ で $5040$ 通り、点 $9$ で $362880$ 通り)を全部当てて、出てくる違う系を数えた。

点の数 数えた系 付け替えで出た系 付け替えても変わらない付け替え
$7$ $30$ $30$ $168$
$9$ $840$ $840$ $432$

観察 3.2 同型を除けば、どちらも一通りである。一つの系に付け替えを当てて出た違う系の数が、探して数えた系の数と一致した。つまり、どの系も見つけた一つの番号を付け替えたものである。$5040=30\times168$、$362880=840\times432$ である。

4. 分離子

観察 4.1 分離子は、割り算の条件で無いのか、条件を満たしても無いのかである。割り算の条件で無いものは、組を一つも試さずに無いと分かる。条件を満たしても無いものがあれば、試さなければ分からない。点 $15$ までは、無いものはすべて前者で、後者は一つも無かった。

観察 4.2 論文604 の隣に置く。604 は $6$ 次のラテン方陣に直交する相手が無いことを数え、オイラーの「$4$ で割って $2$ 余る次数には組が無い」という予想が、計算した範囲の外で外れることを既知の結果として述べた。ここでは余りの条件が点 $15$ までのすべてで当たり、その先もカークマンの定理として当たることが知られている。余りで言い当てた二つの見込みが、片方は外れ、片方は当たった。

観察 4.3 言わないこと。定理の証明、余りが $1$ か $3$ のすべての点の数で系を作る方法、点 $16$ 以上の数え上げ、実験計画や試合の組み合わせへの使い方は扱わない。示したのは、点 $15$ までで、三つ組の系が在るか無いかが $6$ で割った余りで決まり、無いものがすべて割り算の条件で説明されることである。

5. 点呼と結び

  1. 三つ組の数 $v(v-1)/6$ と相手の数 $v-1$(第1節):二つの割り算。
  2. 在るのは $3$・$7$・$9$・$13$・$15$(計算 2.1):五つだけ。
  3. 余りが $1$ か $3$(観察 2.2):本稿の芯。
  4. $\mathbf{3.333333}$・$\mathbf{9.333333}$(計算 2.1):点 $5$・$8$ は整数にならない。
  5. $\mathbf{18.333333}$・$\mathbf{30.333333}$(計算 2.1):点 $11$・$14$ も。
  6. 相手の数が奇数(観察 2.2):点 $4$・$6$・$8$・$10$・$12$・$14$。
  7. 点 $7$ で $30$ 通り(計算 3.1):付け替えても $30$。
  8. 点 $9$ で $840$ 通り(計算 3.1):付け替えても $840$。
  9. $168$ と $432$(観察 3.2):同型を除けば一通り。
  10. 条件で無いか、満たしても無いか(観察 4.1):分離子・論文604。

結び:三つ組で二点をちょうど一度ずつ覆えるかは点の数を $6$ で割った余りで決まり、$15$ まではすべて、余りが $1$ か $3$ のときだけ在る。点 $3$ から $15$ まで探して、見つかったのは $3$・$7$・$9$・$13$・$15$ だけだった。無い八つは、三つ組の数が整数にならないか、一つの点の相手の数が奇数で、組を試す前に無いと分かるものばかりだった。在るときの数は点 $7$ で $30$ 通り、点 $9$ で $840$ 通りで、付け替えでも同じ数が出て、同型を除けばどちらも一通りだった。余りの条件は、ここでは言い当てるだけでなく、無い理由そのものだった。既刊との位置:論文604 の「余りで言い当てた見込みが範囲の外で外れる」ラテン方陣の隣に、余りの条件が当たる三つ組を置いた。正直に言えば、探したのは点 $15$ までで、すべての点の数で当たることはカークマンの既知の定理に頼っている。

参考文献

  1. Colbourn, C. J., & Dinitz, J. H. (Eds.) (2007). Handbook of Combinatorial Designs (2nd ed.). Chapman & Hall/CRC.
  2. Kirkman, T. P. (1847). On a problem in combinations. Cambridge and Dublin Mathematical Journal.
  3. 山岸勇輝 (2026). 『6 次のラテン方陣には、直交する相手が一つも無い』[論文604]. YOI: https://www.yamagishiyuuki.com/yoi/604 ・ DOI: 10.5281/zenodo.23014438

作成にあたって:本稿の着想と内容は、著者自身の考察に基づくものです。文章の構成整理や英訳、数式の確認には AI(大規模言語モデル)の助力を得ました。最終的な内容の解釈や誤りがあれば、それらはすべて著者の責に帰します。お気づきの点があれば、ご教示いただければ幸いです。

書誌

山岸勇輝(2026)「二点を一度ずつ覆う三つ組は、15 点までは点の数を 6 で割った余りが 1 か 3 のときだけ在る」[論文898]. YOI: https://www.yamagishiyuuki.com/yoi/898

YOI 898第1版・2026年9月ビットコインに記録済み

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住所:https://www.yamagishiyuuki.com/yoi/898・CC BY 4.0・プレプリント(査読を経ていません)・ORCID 0009-0006-8587-3450

引用するとき

山岸勇輝 (2026). 二点を一度ずつ覆う三つ組は、15 点までは点の数を 6 で割った余りが 1 か 3 のときだけ在る [論文898]. YOI: https://www.yamagishiyuuki.com/yoi/898

Yamagishi, Y. (2026). Triples Covering Every Pair Exactly Once Exist, up to Fifteen Points, Only When the Count Leaves Remainder One or Three Mod Six [Paper 898]. YOI: https://www.yamagishiyuuki.com/yoi/898

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  author = {Yamagishi, Yuuki},
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