要旨
本稿が問うのは、ティック数で刻むと何がそろうのか、である。答えは、値動きの大きさはそろい、方向の情報はそろわない。新しい数学定理も新しい法則も主張しない。
第一に、ティック足(合計 N ティックで一本)と、一本あたりの時間の中央を同じにした時計足を作って並べた。中央のずれは 0.0000 分である。ここをそろえないと「足が細かいから違う」だけの比較になる(第3節)。
第二に、一本あたりの値動きの散らばり(変動係数)は、ティック足 0.9966・時計足 1.2359 である。差の中央は −0.2419、幅は −0.3026 から −0.1278 で、20 セルすべてでティック足の方が小さい(第4節)。
第三に、これが本稿の芯である。時間帯ごとの一本あたりの値動きの中央を取り、最大を最小で割ると、ティック足 1.7390・時計足 3.5268 である。8 セルすべてでティック足の方が小さい(第5節)。
第四に、★ つまり「ティック足は値動きをそろえる」という主張は、本当だった。 本系列では珍しく、公知の主張が測定で支持された例である(第4節・第5節)。
第五に、だがそろったのは値動きの大きさであって、方向の情報ではない。 足の向きで順張りしたときの方向の情報の中央は、ティック足 +0.0471 pips・時計足 +0.1154 pips で、スプレッドの中央 0.7500 pips を下回る。日次 t の絶対値が 2 以上のセルは 20 のうち 2 と 20 のうち 0(偶然なら およそ 0.9)である(第6節)。
第六に、一本あたりの時間の散らばりは、ティック足 5.0837・時計足 5.4319 で、どちらも 0 ではない。ティックの無い足を作らないので、時計足でも週末をまたぐ一本ができるからである(第4節)。
本稿の射程(scope note):新しい数学定理も新しい法則も主張しない。出来事で刻む足(情報ドリブンバー)の考え方は既知である。特定の商材や提唱者を論じない。実在の教材、その著者、販売元は主題ではなく、一切名指さない。扱うのは公知の足種そのものである。売買を論じない。本稿が測るのは値動きの散らばりと方向の情報であって、手数料・約定・資金管理を含む売買の成績ではない。射程は日中・少数銘柄に限る。四銘柄・三年の測定である。月次の時系列モメンタム(数十市場・保有1〜12ヶ月)は学術的に文書化されており、本稿はそれを否定しない。★ もとの足を五分足に固定する。ティック数は五分足が持っている数を足し合わせているので、一本の境目は五分刻みである(第7節)。出来高ではなくティック数で刻む、為替に出来高は無いので、取引回数の代理としてティック数を使う。時間の散らばりは週末に支配される。ティックの無い足を作らないので、両方とも影響を受ける。予測を主張しない。既刊との関係:本系列は、主張を否定するためではなく、分離子で分けるために測る。F017 は練行足で二つの予言を外した。本稿は同じ第六部で、公知の主張が支持される例を出す。加えたのは、一本あたりの時間の中央をそろえてから比べたこと、時間帯ごとの比を取ったこと、そろった量とそろわない量を同じ論文に並べたことである。
1. 記法と問い
「ティック足にすると値動きの大きさがそろう」「時間で刻むと、暇な時間帯の足が無駄になる」という言い方がある。
| 足種 | 何で刻むか | 一本の意味 |
|---|---|---|
| 時計足 | 時間 | 五分・一時間という約束 |
| ティック足 | 値が動いた回数 | N 回の取引(気配の更新) |
| 本稿が問うこと | 刻み方を変えると何がそろうか |
観察 1.1:「ティック足の方が良い」だけでは何も言えない。 何がそろうのかを言っていないからである。
観察 1.2:そして比べ方に落とし穴がある。ティック足の方が細かければ、値動きが小さいのは当たり前である。 比べるなら、一本あたりの時間の中央をそろえる必要がある。
観察 1.3:そろえたうえで、三つを測る。 値動きの散らばり、時間帯ごとの値動き、そして方向の情報である。最初の二つがそろって三つ目がそろわないなら、ティック足が変えたのは物差しであって、中身ではない。
問い:ティック数で刻むと、何がそろうのか。
2. 測る量と設計を、先に書く
設計(走らせる前に宣言し、実行時に変えていない)
| 項目 | 決めたこと |
|---|---|
| もとの足 | 五分足(中値・完成足のみ)。各足はティック数を持っている |
| ティック足 | ティック数の合計が N 以上になったら一本。N = 500・1000・2000・4000・8000 |
| 時計足 | 同じ N のティック足の一本あたりの時間の中央に合わせ、五分足を一定本数ずつまとめる |
| 一本あたりの時間 | 前の足の終わりから今の足の終わりまでの分 |
| 値動き | 前の足の終値からの差の絶対値(pips) |
| 散らばり | 変動係数(標準偏差 ÷ 平均) |
| 時間帯 | 協定世界時で重ならない五区分 |
| 方向の情報 | 足の向き(終値が前の足より上か下か)で順張り、288 本先(24 時間) |
| 銘柄 | USDJPY・EURUSD・GBPUSD・XAUUSD |
| 期間 | 2019–2024。評価 2022–2024 |
観察 2.1:★ 値動きは前の足の終値から測る。 区間の最初の足の終値から測ると、一本の五分足だけで N に達したときに起点と終点が同じ足になり、値動きが 0 になってしまう。 実際、最初に書いたときにそれを踏み、金の中央が 0.0000 になって気づいた。
観察 2.2:為替に出来高は無い。 取引所が無いので、約定の総数は誰も持っていない。ティック数は気配が更新された回数であって、取引回数の代理にすぎない。
観察 2.3:もとの足が五分足なので、ティック足の境目も五分刻みである。 N ちょうどで切れるわけではなく、N 以上になった最初の五分足の終わりで切っている。
一本あたりのティック数の中央は USDJPY 464.0、EURUSD 284.0、GBPUSD 323.0、XAUUSD 550.0 である。
3. 一本あたりの時間を、中央でそろえる
計算 3.1 ティック足と、時間をそろえた時計足(評価期間)
| 銘柄 | N | ティック足 本数 | 時計足 本数 | ティック足 分(中央) | 時計足 分(中央) | 五分足 何本ぶん |
|---|---|---|---|---|---|---|
| USDJPY | 500 | 138,663 | 214,290 | 5.0000 | 5.0000 | 1 |
| USDJPY | 1,000 | 86,174 | 107,145 | 10.0000 | 10.0000 | 2 |
| USDJPY | 2,000 | 49,183 | 53,572 | 20.0000 | 20.0000 | 4 |
| USDJPY | 4,000 | 26,741 | 30,612 | 35.0000 | 35.0000 | 7 |
| USDJPY | 8,000 | 14,011 | 16,483 | 65.0000 | 65.0000 | 13 |
| EURUSD | 500 | 105,345 | 107,302 | 10.0000 | 10.0000 | 2 |
| EURUSD | 8,000 | 9,757 | 11,922 | 90.0000 | 90.0000 | 18 |
| GBPUSD | 500 | 113,374 | 107,184 | 10.0000 | 10.0000 | 2 |
| GBPUSD | 8,000 | 10,845 | 13,398 | 80.0000 | 80.0000 | 16 |
| XAUUSD | 500 | 149,188 | 209,798 | 5.0000 | 5.0000 | 1 |
| XAUUSD | 8,000 | 16,934 | 20,979 | 50.0000 | 50.0000 | 10 |
観察 3.2:一本あたりの時間の中央のずれは、20 セルすべてで 0.0000 分である。 比べる土台はそろった。
観察 3.3:本数はそろわない。 USDJPY の N = 500 では、ティック足 138,663 本に対して時計足 214,290 本である。中央が同じでも、分布の形が違うからである。
観察 3.4:銘柄によって、同じ N が別の時間になる。 N = 8,000 は USDJPY で 65.0000 分、EURUSD で 90.0000 分である。ティックの出方が銘柄で違う。
4. そろったのは何か、値動きの散らばり
計算 4.1 一本あたりの時間と値動きの散らばり(評価期間)
| 銘柄 | N | 時間 CV ティック | 時間 CV 時計 | 値動き 中央 ティック | 値動き 中央 時計 | 値動き CV ティック | 値動き CV 時計 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| USDJPY | 500 | 8.7448 | 10.7195 | 3.2000 | 2.1000 | 1.2191 | 1.3872 |
| USDJPY | 1,000 | 6.9175 | 7.5767 | 4.3500 | 3.0500 | 1.1442 | 1.3642 |
| USDJPY | 2,000 | 5.2599 | 5.3528 | 5.8500 | 4.3500 | 1.1054 | 1.3384 |
| USDJPY | 4,000 | 3.9200 | 4.0410 | 8.0500 | 5.7000 | 1.0584 | 1.3276 |
| USDJPY | 8,000 | 2.8822 | 2.9591 | 11.3500 | 8.0500 | 1.0481 | 1.3507 |
| EURUSD | 4,000 | 3.3054 | 3.5591 | 6.2500 | 3.9500 | 0.9325 | 1.2150 |
| EURUSD | 8,000 | 2.4352 | 2.5111 | 8.8000 | 5.6500 | 0.8981 | 1.1943 |
| GBPUSD | 4,000 | 3.4777 | 3.7808 | 7.7500 | 4.9500 | 0.9580 | 1.2181 |
| GBPUSD | 8,000 | 2.5610 | 2.6678 | 10.9000 | 6.9500 | 0.9081 | 1.2079 |
| XAUUSD | 4,000 | 4.9075 | 5.5076 | 15.5850 | 10.4100 | 0.9501 | 1.1933 |
| XAUUSD | 8,000 | 3.6115 | 3.8874 | 21.7000 | 14.7850 | 0.9472 | 1.1879 |
計算 4.2 まとめ(20 セルの中央)
| 量 | ティック足 | 時計足 | 差 |
|---|---|---|---|
| 一本あたりの時間 CV | 5.0837 | 5.4319 | 、 |
| 値動きの CV | 0.9966 | 1.2359 | −0.2419 |
観察 4.3:★ 値動きの散らばりは、ティック足 0.9966・時計足 1.2359 である。 差の中央は −0.2419、幅は −0.3026 から −0.1278 で、20 セルすべてでティック足の方が小さい。
観察 4.4:★ つまり「ティック足は値動きをそろえる」という主張は、本当だった。 本系列ではここまで否定が続いたが、これは支持された例である。
観察 4.5:一本あたりの時間の散らばりは、ティック足 5.0837・時計足 5.4319 で、どちらも 0 ではない。 時計足なら定義から 0 になるはずだが、ティックの無い足を作らないので、週末をまたぐ一本ができる。 この量はほぼ週末で決まっており、刻み方の比較には使えない。
観察 4.6:値動きの中央は、ティック足の方が大きい(USDJPY の N = 8,000 で 11.3500 対 8.0500 pips)。時間の中央が同じでも、ティック足は「動いている時間」に一本を割り当てるので、一本あたりの値動きが大きくなる。

図1:銘柄ごとに、横が一本あたりのティック数、縦が値動きの変動係数。濃い線(ティック足)が薄い線(時計足)より下にある。
5. 時間帯ごとの値動き、ここが芯である
計算 5.1 時間帯ごとの一本あたりの値動きの中央(評価期間・pips)
| 銘柄 | N | 刻み | 東京 0–7 | ロンドン 7–12 | 重複 12–16 | NY後半 16–21 | 夜間 21–24 | 最大÷最小 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| USDJPY | 1,000 | ティック | 4.4500 | 4.3000 | 4.9000 | 3.7500 | 3.7500 | 1.3067 |
| USDJPY | 1,000 | 時計 | 3.1500 | 3.4500 | 4.5500 | 2.4000 | 1.9000 | 2.3947 |
| USDJPY | 4,000 | ティック | 8.3000 | 7.8000 | 9.1500 | 7.1500 | 7.0000 | 1.3071 |
| USDJPY | 4,000 | 時計 | 5.9000 | 6.4000 | 8.5500 | 4.6000 | 3.6500 | 2.3425 |
| EURUSD | 1,000 | ティック | 2.7000 | 3.6500 | 4.1000 | 3.1500 | 2.0000 | 2.0500 |
| EURUSD | 1,000 | 時計 | 1.7500 | 3.3000 | 4.2500 | 2.3500 | 1.0500 | 4.0476 |
| EURUSD | 4,000 | ティック | 5.0500 | 6.7000 | 7.6500 | 6.1500 | 3.7000 | 2.0676 |
| EURUSD | 4,000 | 時計 | 3.0000 | 5.6500 | 7.6500 | 4.2000 | 1.8000 | 4.2500 |
| GBPUSD | 1,000 | ティック | 3.1500 | 4.8000 | 5.1500 | 3.9500 | 2.2500 | 2.2889 |
| GBPUSD | 1,000 | 時計 | 1.9000 | 3.6500 | 4.4500 | 2.4000 | 1.2000 | 3.7083 |
| GBPUSD | 4,000 | ティック | 5.8500 | 8.9000 | 9.6000 | 7.8500 | 4.8000 | 2.0000 |
| GBPUSD | 4,000 | 時計 | 3.7500 | 7.4500 | 9.0500 | 5.3000 | 2.2500 | 4.0222 |
| XAUUSD | 1,000 | ティック | 7.6050 | 8.1500 | 10.6500 | 7.8650 | 7.5950 | 1.4022 |
| XAUUSD | 1,000 | 時計 | 5.6500 | 7.2500 | 12.2100 | 6.3950 | 3.6500 | 3.3452 |
| XAUUSD | 4,000 | ティック | 14.2500 | 14.3500 | 18.9250 | 14.5150 | 12.8050 | 1.4779 |
| XAUUSD | 4,000 | 時計 | 8.8500 | 11.3250 | 18.8350 | 10.1875 | 5.8000 | 3.2474 |
観察 5.2:★ 最大を最小で割った値は、ティック足 1.7390・時計足 3.5268(中央)である。 差の中央は −1.8562 で、8 セルすべてでティック足の方が小さい。
観察 5.3:★ これが本稿の芯である。 時計足では夜間の一本が 1.0500 pips、重複帯の一本が 4.2500 pips と 四倍ちがう(EURUSD の N = 1,000)。同じ「一時間足」と呼ばれていても、中身は時間帯で四倍ちがう。
観察 5.4:ティック足ではその差が 2.0500 倍まで縮む。 消えはしない。 気配の更新が多い時間帯は、一回あたりの値動きも大きいからである。
観察 5.5:USDJPY と XAUUSD では比が 1.3067 から 1.4779 まで下がる。ティック数の多い銘柄ほど、そろい方が良い。
観察 5.6:どちらの刻み方でも、重複帯(12–16)が最大である。 ★ ティック足は「時間帯の差を縮める」のであって「消す」のではない。

図2:銘柄ごとに、五区分それぞれの一本あたりの値動きの中央。濃い棒(ティック足)の高さが薄い棒(時計足)よりそろっている。
6. 方向の情報は、刻み方で変わるか
計算 6.1 足の向きで順張り、24 時間先(評価期間・pips)
| 銘柄 | N | ティック足 D | 同 日次 t | 時計足 D | 同 日次 t |
|---|---|---|---|---|---|
| USDJPY | 500 | 0.4153 | 1.33 | 0.4023 | 1.00 |
| USDJPY | 2,000 | 0.8525 | 2.01 | 0.9004 | 1.75 |
| USDJPY | 8,000 | 1.4057 | 0.38 | 1.3848 | 1.20 |
| EURUSD | 500 | −0.2040 | 0.90 | −0.4185 | −1.51 |
| EURUSD | 2,000 | −0.3704 | −0.25 | −0.4956 | −0.21 |
| EURUSD | 8,000 | −0.8374 | 0.26 | −0.2679 | 0.21 |
| GBPUSD | 500 | −0.2971 | 0.14 | −0.3136 | −1.07 |
| GBPUSD | 4,000 | 0.1975 | 2.24 | −0.4287 | 0.42 |
| GBPUSD | 8,000 | −0.9309 | 0.67 | −0.2339 | 0.60 |
| XAUUSD | 500 | 1.0208 | 1.23 | 0.7888 | 0.41 |
| XAUUSD | 4,000 | −0.1033 | −1.09 | 0.6677 | −0.32 |
| XAUUSD | 8,000 | 0.2794 | −0.71 | 1.0122 | 0.88 |
観察 6.2:D の中央は、ティック足 +0.0471 pips・時計足 +0.1154 pips である。スプレッドの中央は 0.7500 pips で、どちらも届かない。
観察 6.3:日次 t の絶対値が 2 以上のセルは、ティック足 20 のうち 2・時計足 20 のうち 0 である。偶然なら およそ 0.9 なので、どちらも偶然と変わらない。
観察 6.4:★ つまりそろったのは値動きの大きさであって、方向の情報ではない。 第4節と第5節で主張が支持されたのは、上下対称な量(大きさ)についてである。
観察 6.5:符号は銘柄で固定されている。 USDJPY は五つの N すべてで正、EURUSD は五つとも負である。これは刻み方の効果ではなく、その期間にその銘柄がどちらへ動いたかの言い換えでありうる。本稿はドリフトを分離していない。
7. 限界
- ⚠️ ★ もとの足を五分足に固定している。 ティック数は五分足が持っている数を足しているので、ティック足の境目も五分刻みである。 本当のティック足(N 本目のティックちょうどで切る)ではない。細かい N ほど、この粗さが効く。
- ★ 為替に出来高は無い。 ティック数は気配が更新された回数であって、取引回数ではない。「出来高足」と呼ばれるものと同じかどうかは、本稿では判定していない。
- 一本あたりの時間の散らばりは、週末に支配されている。 ティックの無い足を作らないので、時計足でも一本が週末をまたぐ。この量は刻み方の比較に使えない。
- ★ ドリフトを分離していない。 第6節の D の符号は、その期間に各銘柄がどちらへ動いたかを含む。
- 時間帯の比較を N = 1,000 と 4,000 に限っている。 五つすべてでは表が大きくなりすぎる。ただし第4節の変動係数は五つすべてで測っており、20 セルすべてで同じ向きだった。
- 値動きを終値の差の絶対値で測っている。 高安の幅で測れば別の値になる。ティック足と時計足で同じ測り方を使っているので、比較は成り立つ。
- 四銘柄・三年である。 他の市場、他の期間について述べるものではない。
結び
ティック足と、一本あたりの時間の中央をそろえた時計足を並べて比べた。
値動きの散らばりは、ティック足 0.9966・時計足 1.2359 で、20 セルすべてでティック足の方が小さかった。 時間帯ごとの値動きの最大÷最小も、ティック足 1.7390・時計足 3.5268 で、8 セルすべてでティック足の方が小さかった。
★ 「ティック足は値動きをそろえる」という主張は、本当だった。 本系列ではここまで否定が続いたが、これは支持された例である。
だがそろったのは値動きの大きさであって、方向の情報ではない。 足の向きで順張りしたときの D の中央は +0.0471 と +0.1154 pips で、スプレッドの中央 0.7500 pips に届かない。日次 t の絶対値が 2 以上のセルは 20 のうち 2 と 20 のうち 0(偶然なら 0.9)である。
ティック足が変えたのは物差しである。物差しをそろえることと、当てられるようになることは別である。
そして本稿が測れたのは、五分足を足し合わせて作ったティック足である。N 本目のティックちょうどで切る本物のティック足については、ここでは何も答えていない。
データと再現
| データ | 為替は Dukascopy 由来のティック(2019 年以降はミリ秒・bid・ask まで一致することを確認済み)。金は Dukascopy |
| 期間 | 2019–2024(六年)。評価 2022–2024 |
| 銘柄 | USDJPY・EURUSD・GBPUSD・XAUUSD |
| もとの足 | 五分足・中値・完成足の終値のみ。各足はティック数を持つ。ティックの無い足は作らない |
| ティック足 | ティック数の合計が N 以上になった最初の五分足の終わりで一本 |
| 時計足 | 同じ N のティック足の一本あたりの時間の中央に合わせ、五分足を一定本数ずつまとめる |
| 検算 | 検算/F018.py(--zu で図も書き出す)。本文の数字はすべて 検算/F018_output.txt から取っている |
| 図 | 図/F018_zu1・図/F018_zu2(png・svg・英語版) |
| 土台の検査 | _ツール/audit_bars.py(足の先読み・夏時間・日の区切り)。記録は _土台の検査.txt |
参考文献
- 山岸勇輝 (2026). 練行足は、別の時計である [F017]. Zenodo. 10.5281/zenodo.22891823
作成にあたって:本稿の着想と内容は、著者自身の考察に基づくものです。文章の構成整理や英訳、数式の確認には AI(大規模言語モデル)の助力を得ました。最終的な内容の解釈や誤りがあれば、それらはすべて著者の責に帰します。お気づきの点があれば、ご教示いただければ幸いです。
書誌
山岸勇輝(2026)「ティック数で刻んだ足は、時計で刻んだ足と別の時計である」[F018]. Zenodo.
DOI: 10.5281/zenodo.22891916
日付の証拠(OpenTimestamps):日本語版の .ots・英語版の .ots・SHA256SUMS
予備の置き場所(ミラー。中身は上と同じです):PDF 日本語・PDF English・SHA256SUMS
住所:https://www.yamagishiyuuki.com/yoi/F018・DOI 10.5281/zenodo.22891916・CC BY 4.0・プレプリント(査読を経ていません)・ORCID 0009-0006-8587-3450
引用するとき
山岸勇輝 (2026). ティック数で刻んだ足は、時計で刻んだ足と別の時計である [F018]. YOI: https://www.yamagishiyuuki.com/yoi/F018 ・ DOI: 10.5281/zenodo.22891916
Yamagishi, Y. (2026). Bars Cut by Tick Count Are a Different Clock from Bars Cut by the Clock [F018]. YOI: https://www.yamagishiyuuki.com/yoi/F018; DOI: 10.5281/zenodo.22891916
@misc{yamagishi2026yoiF018,
author = {Yamagishi, Yuuki},
title = {Bars Cut by Tick Count Are a Different Clock from Bars Cut by the Clock},
year = {2026},
howpublished = {YOI: https://www.yamagishiyuuki.com/yoi/F018},
doi = {10.5281/zenodo.22891916},
note = {Preprint}
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指紋(SHA-256)と確かめ方
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