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【M057】病院で亡くなる割合は 2005 年の 0.7975 を山に 2024 年は 0.6439 まで下がり、その下がりの 0.916 は同じ年齢の中での動きだった

要旨

人口動態統計の死亡の場所(1951〜2024 年)と、2005 年・2024 年の年齢(5 歳階級)× 死亡の場所の表で、亡くなる場所の割合の動きを、亡くなる人の年齢の並びと、年齢ごとの場所の割合に分けた。新しい数学定理も新しい法則も主張しない。

第一に、表はそろっている。年次の表では施設内 = 各施設の和、施設外 = 自宅 + その他、総数 = 施設内 + 施設外 が 74 年すべてで成り立ち、年齢別の表では場所の和・年齢の和・男女の和が総数に一致し、二つの表の 2005 年・2024 年の総数の行は一致する(第3節)。

第二に、病院で亡くなる割合は 1951 年の 0.0905 から上がり、1977 年に自宅(0.4397)を上回り(0.4570)、2005 年の 0.7975 で山になった。 2024 年は 0.6439。自宅の割合は 1951 年の 0.8247 から 2006 年の 0.1216 まで下がり、2022 年に 0.1742 まで戻ってから、2024 年は 0.1638。老人ホームは 2005 年の 0.0215 から 2024 年の 0.1221 になった(第4節)。

第三に、ここが本稿の芯である。2005→2024 年の病院の割合の下がり −0.1538 のうち、亡くなる人の年齢の並びの分は −0.0129 で、年齢ごとの場所の割合の分が −0.1409(0.916)だった。 亡くなる人のうち 90 歳以上の割合は 0.173 から 0.319 になったが、病院の割合を下げたのは主に同じ年齢の中の動きである。自宅の割合の上がり +0.0413 は、年齢ごとの割合の分 +0.0537 と年齢の並びの分 −0.0124 の和で、向きが逆。老人ホームは二つの分がどちらも上向き(+0.0218 と +0.0788)である(第5節)。

第四に、自宅の割合は、60〜64 歳で 0.131 から 0.273(2.09 倍)に上がり、60〜89 歳のどの年齢でも上がった一方、90 歳以上では下がった(90〜94 歳で 0.133 から 0.117)。 自宅の割合がいちばん低い年齢は、2005 年の 70〜74 歳から 2024 年の 90〜94 歳へ動いた。男女どちらでも同じ向きである(第6節)。

第五に、高い年齢では、自宅の代わりに老人ホームの割合が大きい。 老人ホームの割合は 2005 年も 2024 年も年齢が高いほど大きく、2024 年の 100 歳以上では 0.316 と、自宅(0.140)の 2.26 倍である(第6節)。

第六に、分けるのは亡くなる人の年齢の並びが動いたか、同じ年齢で場所の割合が動いたか。「自宅で亡くなる人が増えた」は、年齢によって逆の向きを一つにまとめた数である。

射程注記:本稿は新しい数学定理も新しい法則も主張しない。死亡の場所は公開の表にあり、年齢の並びと年齢ごとの割合に分ける方法は古くからある。本稿は公開の集計データの数の形を述べる構造的解釈であり、医学的な助言・診断・治療の推奨ではない。著者は医師ではない。個人の健康に関する判断は医師・医療機関に相談すること。査読を経ていないプレプリントである。 どこで亡くなるのがよいかは論じない。 場所の区分は表の名前のままで、施設の中身や、看取りか急な死亡かは区別していない。自宅での死亡は、病院での死亡より、死因がはっきりしない死亡の割合が高い(M022)。1994 年までの老人ホームでの死亡は自宅又はその他に、2017 年までの介護医療院・介護老人保健施設は介護老人保健施設だけで数えられている(表の注)。病院・施設・自治体の良し悪しは言わず、都道府県は比べない。看取った家族が読むことを考え、一人の亡くなり方の見通しとしては書かない。データについて:人口動態統計(e-Stat)は政府標準利用規約(第2.0版)に従って使い、本稿の割合は、これを加工して作成した。本稿が加えたこと:亡くなる場所の割合の 2005→2024 年の動きを、亡くなる人の年齢の並びと年齢ごとの場所の割合に分け、病院の下がりはほとんどが同じ年齢の中の動きであること、自宅の上がりは二つが逆向きの和であり、60〜89 歳で上がって 90 歳以上で下がったことを示したこと。

1. 記号と問い

  • 場所の区分:病院・診療所・介護施設(2005 年は介護老人保健施設、2024 年は介護医療院・介護老人保健施設)・老人ホーム・自宅・その他(助産所を含める)の 6 つ。
  • 場所の割合:その場所での死亡数 ÷ 死亡数。
  • 年齢の並びの分・年齢ごとの割合の分:場所の割合 = Σ(年齢 a の死亡の割合 × 年齢 a でのその場所の割合)。二つの年の差を、年齢の死亡の割合の差 × 場所の割合の平均の和(年齢の並びの分)と、場所の割合の差 × 年齢の死亡の割合の平均の和(年齢ごとの割合の分)に分ける。二つの和は差そのものになる。

問い:病院で亡くなる割合が下がり、自宅や施設で亡くなる割合が上がったのは、亡くなる人がより高い年齢になったからか、同じ年齢で亡くなる場所が変わったからか。

観察 1.1:M022 は、死因がはっきりしない死亡の割合が、自宅では病院よりはるかに高いことを示した。M049 は、同じ分け方で、平均値の動きのうち年齢構成の分が指標によって向きも大きさも違うことを示した。本稿は、その分け方を亡くなる場所に当てる。

2. 下見と設計

正直に書く:設計は表を見てから決めた。

内容
表 人口動態統計 令和6年(確定数)上巻 第5.5表(死亡の場所 × 年次・1951〜2024 年)、中巻 第8表(2024 年・年齢 × 性 × 死亡の場所)、平成17年 中巻 第8表(2005 年・同じ形)
下見で気づいたこと 病院の割合の山は 2005 年、自宅の割合の底は 2006 年だった。年齢 × 場所の表は各年にあるので、山の年の 2005 年と 2024 年を比べる
区分のそろえ方 2005 年の「介護老人保健施設」と 2024 年の「介護医療院・介護老人保健施設」を「介護施設」とし、助産所は「その他」に入れる
物差し 場所の割合、年齢の並びの分と年齢ごとの割合の分、年齢ごとの場所の割合

3. データと確かめ

計算 3.1 取得した 3 本のファイルを SHA-256 で固定し、次を確かめた。

  • 第5.5表の題名は「上巻 死亡 第5.5表 死亡の場所別にみた年次別死亡数」、2024 年の中巻 第8表は「中巻 死亡 第8表 死亡数,年齢(5歳階級)・性・死亡の場所別」、2005 年は「中巻 死亡 第8表」「死亡数,性・死亡の場所・年齢(5歳階級)別」。
  • 第5.5表で、施設内 = 各施設の和、施設外 = 自宅 + その他、総数 = 施設内 + 施設外 が 74 年すべてで成り立つ。
  • 中巻 第8表(2005・2024 年)で、場所の和 = 総数、5 歳階級の和 + 不詳 = 総数、総数 = 男 + 女。
  • 第5.5表の 2005 年・2024 年の行は、中巻 第8表の総数の行と、6 つの場所と総数で一致する。

4. 亡くなる場所の割合の年次の動き

計算 4.1 亡くなる場所の割合(第5.5表)

年 病院 自宅 老人ホーム 介護施設 診療所
1951 0.0905 0.8247 0.0000 0.0000 0.0256
1960 0.1816 0.7068 0.0000 0.0000 0.0367
1970 0.3295 0.5665 0.0000 0.0000 0.0448
1977 0.4570 0.4397 0.0000 0.0000 0.0488
1990 0.7161 0.2166 0.0000 0.0004 0.0341
2000 0.7816 0.1389 0.0185 0.0050 0.0282
2005 0.7975 0.1224 0.0215 0.0068 0.0264
2010 0.7785 0.1260 0.0352 0.0131 0.0241
2015 0.7459 0.1271 0.0633 0.0226 0.0197
2020 0.6834 0.1574 0.0916 0.0332 0.0156
2022 0.6445 0.1742 0.1101 0.0393 0.0138
2024 0.6439 0.1638 0.1221 0.0412 0.0119

観察 4.2:病院の割合は 1951 年の 0.0905 から上がり、1977 年に自宅を上回り(病院 0.4570・自宅 0.4397)、2005 年の 0.7975 で山になった。 その後は下がって 2024 年は 0.6439。自宅の割合は 2006 年の 0.1216 を底に上がり、2022 年の 0.1742 のあと 2023・2024 年は下がった。老人ホームと介護施設は、表に数えられるようになってから上がり続けている。

図1 亡くなる場所の割合

図1:亡くなる場所の割合(1951〜2024 年)。紺が病院、橙が自宅、金が老人ホーム、紫が介護医療院・介護老人保健施設。縦の点線は 2005 年。1994 年までの老人ホームでの死亡は自宅又はその他に含まれる。

5. 芯、年齢の並びの分と、年齢ごとの割合の分

計算 5.1 2005→2024 年の場所の割合の差を分ける(年齢不詳を除く 21 の 5 歳階級)

場所 2005 年 2024 年 差 年齢の並びの分 年齢ごとの割合の分
病院 0.7979 0.6441 −0.1538 −0.0129 −0.1409
診療所 0.0264 0.0119 −0.0145 +0.0033 −0.0177
介護施設 0.0068 0.0412 +0.0344 +0.0076 +0.0268
老人ホーム 0.0215 0.1221 +0.1006 +0.0218 +0.0788
自宅 0.1225 0.1638 +0.0413 −0.0124 +0.0537
その他 0.0250 0.0169 −0.0081 −0.0074 −0.0007

観察 5.2:病院の下がり −0.1538 のうち、年齢の並びの分は −0.0129、年齢ごとの割合の分は −0.1409 で、0.916 が同じ年齢の中の動きである。 亡くなる人のうち 90 歳以上の割合は 0.173 から 0.319 に上がったが、病院の割合を下げたのは主にそちらではなかった。自宅は、年齢の並びの分が −0.0124、年齢ごとの割合の分が +0.0537 で、向きが逆である。 亡くなる人の年齢が上がったことは自宅の割合を下げる向きに働き(−0.0124)、それを同じ年齢の中の上がり(+0.0537)が上回った。老人ホームは二つの分がどちらも上向き(+0.0218・+0.0788)。六つの場所の差の和は 0 で、分けた二つの和はどの場所も差にそろう。

6. 年齢ごとの場所の割合

計算 6.1 60 歳以上の年齢ごとの場所の割合(2005 年 → 2024 年)

年齢 病院 自宅 老人ホーム 介護施設 亡くなる人の割合
60〜64 歳 0.812 → 0.664 0.131 → 0.273 0.001 → 0.024 0.000 → 0.004 0.057 → 0.026
65〜69 歳 0.842 → 0.684 0.114 → 0.249 0.003 → 0.033 0.001 → 0.007 0.075 → 0.041
70〜74 歳 0.853 → 0.696 0.104 → 0.219 0.006 → 0.049 0.002 → 0.012 0.112 → 0.078
75〜79 歳 0.846 → 0.707 0.105 → 0.190 0.011 → 0.063 0.004 → 0.019 0.147 → 0.117
80〜84 歳 0.829 → 0.699 0.105 → 0.159 0.020 → 0.089 0.007 → 0.030 0.161 → 0.164
85〜89 歳 0.802 → 0.669 0.111 → 0.132 0.032 → 0.129 0.011 → 0.046 0.153 → 0.200
90〜94 歳 0.753 → 0.609 0.133 → 0.117 0.050 → 0.182 0.016 → 0.064 0.118 → 0.191
95〜99 歳 0.694 → 0.522 0.158 → 0.121 0.079 → 0.243 0.022 → 0.083 0.047 → 0.103
100 歳以上 0.613 → 0.402 0.186 → 0.140 0.122 → 0.316 0.031 → 0.108 0.009 → 0.026

観察 6.2:自宅の割合は 60〜64 歳で 0.131 から 0.273(2.09 倍)になり、60〜89 歳のどの年齢でも上がったが、90〜94 歳・95〜99 歳・100 歳以上では下がった。 自宅の割合がいちばん低い年齢は、2005 年の 70〜74 歳から 2024 年の 90〜94 歳へ動いた。男女別でも、60〜64 歳は男 0.138 → 0.286・女 0.115 → 0.244 と上がり、90〜94 歳は男 0.129 → 0.121・女 0.134 → 0.114 と下がった。病院の割合は 60 歳以上のどの年齢でも下がり、老人ホームの割合はどの年齢でも上がった。老人ホームの割合は 2005 年も 2024 年も年齢が高いほど大きく、2024 年の 100 歳以上では 0.316 で、自宅(0.140)の 2.26 倍である。

図2 年齢ごとの自宅と老人ホームの割合

図2:60 歳以上の年齢ごとの、自宅(橙)と老人ホーム(金)の割合。実線が 2024 年、破線が 2005 年。

7. 限界

  1. 場所の区分は表の名前のままで、施設の中身、看取りか急な死亡か、亡くなる前にどこで過ごしたかは分からない。自宅での死亡は死因がはっきりしない死亡の割合が病院より高い(M022)ので、若い年齢の自宅の割合の上がりが何の上がりかは、この表では言えない。
  2. 表の区分は年で変わった:1994 年までの老人ホームでの死亡は自宅又はその他に含まれ、2017 年までの介護施設は介護老人保健施設だけ。2005 年と 2024 年の比べでは、介護施設の中身が同じではない。
  3. どこで亡くなるのがよいかは論じない。 病院・施設・自治体を比べない。
  4. 5 歳階級の中の年齢の違い、死因ごとの違い、都道府県は見ていない。一人の亡くなり方の見通しではない。

結び

病院で亡くなる割合は 1977 年に自宅を上回り、2005 年の 0.7975 で山になって、2024 年は 0.6439 に下がった。その下がりの 0.916 は、亡くなる人の年齢の並びではなく、同じ年齢の中の動きだった。自宅の割合の上がりは、年齢ごとの割合の上がり(+0.0537)と年齢の並びによる下がり(−0.0124)の和で、年齢で見ると 60〜89 歳で上がり、90 歳以上で下がった。いちばん高い年齢では、老人ホームの割合が自宅を大きく上回る。

分けているものは一つ、亡くなる人の年齢の並びが動いたか、同じ年齢で場所の割合が動いたか。

「自宅で亡くなる人が増えた」と聞いたら、どの年齢の話か、亡くなる人の年齢が上がったことでどちらに動いたかを、一緒に確かめる。

データと再現

データ 人口動態統計 令和6年(確定数)上巻 第5.5表・中巻 第8表、平成17年 中巻 第8表(厚生労働省・e-Stat)(2026 年 9 月 26 日に取得)
利用条件 e-Stat は政府標準利用規約(第2.0版)に従う。本稿の割合は、これを加工して作成したもので、国が作成した数ではない
範囲 日本・1951〜2024 年(年齢別は 2005 年と 2024 年)
検算 検算/M057.py(--zu で図も書く)。本文の数字はすべて 検算/M057_output.txt から取った
生データ data/ に取得した 3 本と SOURCES.md(URL・取得日・SHA-256・利用条件・定義と計算の置き方)
図 図/M057_zu1・図/M057_zu2(png・svg・英語版)

参考文献

  • 厚生労働省. 人口動態統計 令和6年(確定数)上巻 第5.5表・中巻 第8表、平成17年 中巻 第8表. e-Stat(2026年9月26日に利用). https://www.e-stat.go.jp/
  • 山岸勇輝 (2026). 死因がはっきりしない死亡の割合は、自宅では病院の 8.19 倍で、年齢では 55〜59 歳が山である [M022]. Zenodo. https://doi.org/10.5281/zenodo.22968281
  • 山岸勇輝 (2026). 20 歳以上の平均の動きのうち、答えた人の年齢構成の分は、指標によって向きも大きさも違う。2013→2023 年、女性の BMI の上がり 0.103 のうち 0.077、歩数の下がりの 0.140〜0.151、男性の食塩ではほぼ 0 で、カリウムでは年齢ごとの下がりの 0.375〜0.682 を打ち消す [M049]. Zenodo. https://doi.org/10.5281/zenodo.22974769

作成にあたって:本稿の着想と内容は、著者自身の考察に基づくものです。文章の構成整理や英訳、数式の確認には AI(大規模言語モデル)の助力を得ました。最終的な内容の解釈や誤りがあれば、それらはすべて著者の責に帰します。お気づきの点があれば、ご教示いただければ幸いです。

書誌

山岸勇輝(2026)「病院で亡くなる割合は 2005 年の 0.7975 を山に 2024 年は 0.6439 まで下がり、その下がりの 0.916 は同じ年齢の中での動きだった」[M057]. Zenodo.
DOI: 10.5281/zenodo.22975621

YOI M057医療統計ビットコインに記録済み

日付の証拠(OpenTimestamps):日本語版の .ots・英語版の .ots・SHA256SUMS

予備の置き場所(ミラー。中身は上と同じです):PDF 日本語・PDF English・SHA256SUMS

住所:https://www.yamagishiyuuki.com/yoi/M057・DOI 10.5281/zenodo.22975621・CC BY 4.0・プレプリント(査読を経ていません)・ORCID 0009-0006-8587-3450

引用するとき

山岸勇輝 (2026). 病院で亡くなる割合は 2005 年の 0.7975 を山に 2024 年は 0.6439 まで下がり、その下がりの 0.916 は同じ年齢の中での動きだった [M057]. YOI: https://www.yamagishiyuuki.com/yoi/M057 ・ DOI: 10.5281/zenodo.22975621

Yamagishi, Y. (2026). The Share of Deaths in Hospital Peaked at 0.7975 in 2005 and Fell to 0.6439 by 2024, and 0.916 of That Fall Was Movement Within the Same Age [M057]. YOI: https://www.yamagishiyuuki.com/yoi/M057; DOI: 10.5281/zenodo.22975621

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指紋(SHA-256)と確かめ方
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