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【M060】同居で介護する家族が 65 歳以上である割合は、介護を受ける人が 70〜74 歳で 0.836、85〜89 歳で 0.473 と下がり、90 歳以上で 0.594 に戻る

要旨

令和7年国民生活基礎調査(介護票)で、家族が主な介護者であるとき、介護する人の続柄と年齢を、介護を受ける人の年齢と性ごとに並べた。数は「介護を要する者 10 万対」である。新しい数学定理も新しい法則も主張しない。

第一に、表はそろっている。続柄の和・介護時間の和は丸めの幅(最大 1)で総数に一致し、同居の総数(46,061)と介護を受ける人の年齢ごとの同居の数は、四つの表で一致する(第3節)。

第二に、家族が主な介護者のとき、配偶者 0.383・子 0.498・子の配偶者 0.080 で、介護する人の 0.732 が 60 歳以上、0.388 が 70 歳以上である。 介護する人が 80 歳以上なら 0.974 が配偶者、50〜59 歳なら 0.821 が子(第4節)。

第三に、ここが本稿の芯である。同居で介護する人が 65 歳以上である割合は、介護を受ける人が 70〜74 歳で 0.836 といちばん高く、85〜89 歳で 0.473 といちばん低く、90 歳以上で 0.594 に戻る。 同じあいだに、配偶者の割合は 0.857 から 0.122 に下がり、子の割合は 0.111 から 0.641 に上がる。受ける人が 90 歳以上では、同居の介護する人の 0.570 が 60〜69 歳である。受ける人が 90 歳以上では、子の配偶者(0.209)も配偶者を上回る(第5節)。

第四に、受ける人も介護する人も 65 歳以上の割合は 0.619、ともに 75 歳以上は 0.371 である(同居・第5節)。

第五に、受ける人の性で、配偶者が介護する割合は大きく違う。 65 歳以上のどの年齢でも、受ける人が男性のほうが高く、85〜89 歳では男性 0.740・女性 0.211(3.51 倍)、90 歳以上では男性 0.381・女性 0.016(第6節)。

第六に、分けるのは介護する人が配偶者か子か。「介護する人も高齢である」は、受ける人の年齢で配偶者から子へ替わる二つの山を一つにした数である。

射程注記:本稿は新しい数学定理も新しい法則も主張しない。介護者の数は公開の表にあり、本稿はそれを並べて比べただけである。本稿は公開の集計データの数の形を述べる構造的解釈であり、医学的な助言・診断・治療の推奨ではない。著者は医師ではない。個人の健康に関する判断は医師・医療機関に相談すること。査読を経ていないプレプリントである。 介護する家族を評価しない。 誰が介護するのがよいか、介護の分け方の良し悪しは論じない。国民生活基礎調査は抽出の調査で、数は推計であり、本稿の数は 10 万対で人数ではない。主な介護者が事業者・その他・不詳の場合は含まない(表の注)。同じ調査の悩みやストレス・こころの状態の表は使っていない。一つの年(2025 年)の年齢の違いの比べで、同じ家族の変わり方ではない。介護する家族・介護を受ける本人が読むことを考え、一つの家族の見通しとしては書かない。データについて:国民生活基礎調査(e-Stat)は政府標準利用規約(第2.0版)に従って使い、本稿の割合・比は、これを加工して作成した。本稿が加えたこと:同居で介護する家族が 65 歳以上である割合を、介護を受ける人の年齢ごとに並べ、70〜74 歳で高く 85〜89 歳で低く 90 歳以上で戻る形が、配偶者から子への替わりと重なっていることを示したこと。

1. 記号と問い

  • 介護する家族:主な介護者が家族・親族(配偶者・子・子の配偶者・父母・その他の親族)の場合。
  • 10 万対:介護を要する者の総数を 100,000 としたときの数。
  • 65 歳以上の割合:同居の主な介護者のうち、主な介護者が 65 歳以上である割合(介護を受ける人の年齢ごと)。
  • 続柄の割合:同居の主な介護者のうち、配偶者・子・子の配偶者である割合(介護を受ける人の性と年齢ごと)。

問い:介護する家族が高齢である割合は、介護を受ける人の年齢でどう替わるか。そのとき、介護する人は配偶者か子か。

観察 1.1:M058 は、要介護(要支援)認定の割合が年齢とともに倍になる速さを示した。M059 は、介護が必要になった原因が年齢で入れ替わることを示した。本稿は、介護する側の年齢と続柄を見る。

2. 下見と設計

正直に書く:設計は表を見てから決めた。

内容
表 令和7年国民生活基礎調査(介護票)第60表(続柄 × 同別居 × 性 × 介護する人の年齢)、第61表(受ける人の性・年齢 × 同別居 × 介護する人の性・年齢)、第81表(同居・受ける人の性・年齢 × 続柄)、第82表(同居・要介護度 × 介護時間)
下見で気づいたこと 介護する人が 65 歳以上の割合は、受ける人の年齢で単調に上がるのではなく、85〜89 歳で下がって 90 歳以上で戻った
同居の区分 受ける人の年齢 × 続柄の表(第81表)が同居だけなので、年齢の比べは同居でそろえる
物差し 続柄の割合、介護する人が 65 歳以上・75 歳以上の割合、介護時間が「ほとんど終日」の割合

3. データと確かめ

計算 3.1 取得した 4 本のファイルを SHA-256 で固定し、次を確かめた。

  • 題名は第060表・第061表・第081表・第082表で、四つとも「介護を要する者数10万対」。第60表・第61表の注は「主な介護者の続柄が事業者、その他、不詳は含まない」。
  • 丸めの差は、第60表の続柄の和と総数、第81表の続柄の和と総数、第82表の介護時間の和と総数が、どれも最大 1。
  • 同居の総数と、介護を受ける人の年齢ごとの同居の数は、第61表と第81表で 8 列とも一致し、同居の総数(46,061)は第60表・第82表でも同じ。

4. 介護する家族の続柄と年齢

計算 4.1 介護する人の年齢ごとの割合と、その中の配偶者・子(同別居の総数)

介護する人の年齢 割合 うち配偶者 うち子
39 歳以下 0.013 0.000 0.581
40〜49 歳 0.040 0.005 0.765
50〜59 歳 0.205 0.050 0.821
60〜69 歳 0.344 0.147 0.700
70〜79 歳 0.231 0.726 0.189
80 歳以上 0.157 0.974 0.005

観察 4.2:家族が主な介護者のとき、配偶者 0.383・子 0.498・子の配偶者 0.080 で、介護する人の 0.732 が 60 歳以上、0.388 が 70 歳以上である。 介護する人の年齢で続柄ははっきり分かれ、80 歳以上では 0.974 が配偶者、50〜59 歳では 0.821 が子。50〜60 代の介護する人は主に子、70 歳以上は主に配偶者である。

5. 芯、受ける人の年齢で、介護する人が替わる

計算 5.1 介護を受ける人の年齢ごとの、同居で介護する家族

受ける人の年齢 配偶者 子 子の配偶者 介護する人が 65 歳以上 介護する人が 75 歳以上
65〜69 歳 0.855 0.069 0.006 0.668 0.034
70〜74 歳 0.857 0.111 0.010 0.836 0.307
75〜79 歳 0.790 0.150 0.027 0.798 0.519
80〜84 歳 0.610 0.327 0.048 0.612 0.535
85〜89 歳 0.420 0.489 0.080 0.473 0.406
90 歳以上 0.122 0.641 0.209 0.594 0.144

観察 5.2:介護する人が 65 歳以上の割合は、受ける人が 70〜74 歳で 0.836、75〜79 歳で 0.798 と高く、85〜89 歳で 0.473 まで下がり、90 歳以上で 0.594 に戻る。 同じあいだに配偶者の割合は 0.857 から 0.122 に下がり、子の割合は 0.111 から 0.641 に上がる。受ける人が 85〜89 歳のあたりで、介護する人が配偶者から子に替わる。同居の介護する人の年齢は、受ける人が 85〜89 歳では 50〜59 歳 0.234・60〜69 歳 0.326・80 歳以上 0.346 と広く分かれ、90 歳以上では 60〜69 歳が 0.570 を占める。受ける人が 90 歳以上では、子の配偶者(0.209)も配偶者(0.122)を上回る。受ける人も介護する人も 65 歳以上の割合は 0.619、ともに 75 歳以上は 0.371。

図1 介護を受ける人の年齢ごとの、同居で介護する家族

図1:介護を受ける人の年齢ごとの、同居の主な介護者に占める割合。橙が配偶者、緑が子、紺の実線が介護する人が 65 歳以上、紺の破線が 75 歳以上。

6. 受ける人の性で分ける

計算 6.1 配偶者が介護する割合(同居・受ける人の性別)

受ける人の年齢 受ける人が男 受ける人が女
65〜69 歳 0.902 0.813
70〜74 歳 0.957 0.773
75〜79 歳 0.904 0.622
80〜84 歳 0.886 0.356
85〜89 歳 0.740 0.211
90 歳以上 0.381 0.016

観察 6.2:65 歳以上のどの年齢でも、受ける人が男性のほうが、配偶者が介護する割合が高い。 男性では 80〜84 歳まで 0.886 以上が配偶者で、85〜89 歳でも 0.740。女性では 75〜79 歳の 0.622 から下がり、85〜89 歳で 0.211、90 歳以上で 0.016。85〜89 歳では男性が女性の 3.51 倍である。

図2 配偶者が介護する割合(受ける人の性別)

図2:配偶者が介護する割合(同居)。紺が受ける人が男性、金が女性。

7. 要介護度と介護時間

計算 7.1 同居の主な介護者の介護時間(要介護度ごと)

要介護度 ほとんど終日 必要なときに手をかす程度
要支援(計) 0.048 0.636
要介護1 0.106 0.577
要介護2 0.151 0.491
要介護3 0.295 0.263
要介護4 0.485 0.151
要介護5 0.542 0.112

観察 7.2:介護時間が「ほとんど終日」の割合は、要支援で 0.048、要介護1で 0.106 から、区分が重いほど大きく、要介護5で 0.542 になる。「必要なときに手をかす程度」は逆に、要支援の 0.636 から要介護5の 0.112 に下がる。

8. 限界

  1. 国民生活基礎調査は抽出の調査で、数は推計。本稿の数は 10 万対で、人数ではない。
  2. 主な介護者が事業者・その他・不詳の場合は含まない。 施設で暮らす人の介護はこの表の外である。
  3. 一つの年(2025 年)の年齢の違いの比べで、同じ家族の変わり方ではない。
  4. 介護する家族を評価せず、誰が介護するのがよいかは論じない。悩みやストレス・こころの状態の表は使っていない。都道府県は比べない。

結び

同居で介護する家族が 65 歳以上である割合は、介護を受ける人が 70〜74 歳で 0.836、85〜89 歳で 0.473 と下がり、90 歳以上で 0.594 に戻った。そのあいだに介護する人は配偶者(0.857 → 0.122)から子(0.111 → 0.641)に替わり、90 歳以上では介護する人の 0.570 が 60〜69 歳だった。受ける人が 85〜89 歳のとき、配偶者が介護する割合は男性 0.740・女性 0.211 だった。

分けているものは一つ、介護する人が配偶者か子か。

「介護する人も高齢だ」と聞いたら、介護を受ける人が何歳で、介護する人が配偶者か子かを、一緒に確かめる。

データと再現

データ 令和7年国民生活基礎調査(介護票)第60表・第61表・第81表・第82表(厚生労働省・e-Stat)(2026 年 9 月 26 日に取得)
利用条件 e-Stat は政府標準利用規約(第2.0版)に従う。本稿の割合・比は、これを加工して作成したもので、国が作成した数ではない
範囲 日本・2025 年
検算 検算/M060.py(--zu で図も書く)。本文の数字はすべて 検算/M060_output.txt から取った
生データ data/ に取得した 4 本と SOURCES.md(URL・取得日・SHA-256・利用条件・定義と計算の置き方)
図 図/M060_zu1・図/M060_zu2(png・svg・英語版)

参考文献

  • 厚生労働省. 令和7年国民生活基礎調査 介護 第60表・第61表・第81表・第82表. e-Stat(2026年9月26日に利用). https://www.e-stat.go.jp/
  • 山岸勇輝 (2026). 要介護(要支援)認定の割合は、65〜84 歳では 4.26〜4.97 年ごとに倍になり、同じ年齢の死亡率(5.87〜7.90 年)より速い。85 歳から遅くなるのは要支援で、要介護3〜5だけを数えると 90〜94 歳まで 4.64〜5.61 年ごとに倍になり続ける [M058]. Zenodo. https://doi.org/10.5281/zenodo.22975817
  • 山岸勇輝 (2026). 介護が必要になった主な原因の 1 位は認知症(10 万対 16,743)だが、当てはまるものを全部選ぶと高齢による衰弱(26,100)、年齢では脳血管疾患(65〜79 歳)・認知症(80〜89 歳)・高齢による衰弱(90 歳以上)と入れ替わり、女性は 1〜3 位が 98 の差に並ぶ [M059]. Zenodo. https://doi.org/10.5281/zenodo.22975921

作成にあたって:本稿の着想と内容は、著者自身の考察に基づくものです。文章の構成整理や英訳、数式の確認には AI(大規模言語モデル)の助力を得ました。最終的な内容の解釈や誤りがあれば、それらはすべて著者の責に帰します。お気づきの点があれば、ご教示いただければ幸いです。

書誌

山岸勇輝(2026)「同居で介護する家族が 65 歳以上である割合は、介護を受ける人が 70〜74 歳で 0.836、85〜89 歳で 0.473 と下がり、90 歳以上で 0.594 に戻る」[M060]. Zenodo.
DOI: 10.5281/zenodo.22976041

YOI M060医療統計ビットコインに記録済み

日付の証拠(OpenTimestamps):日本語版の .ots・英語版の .ots・SHA256SUMS

予備の置き場所(ミラー。中身は上と同じです):PDF 日本語・PDF English・SHA256SUMS

住所:https://www.yamagishiyuuki.com/yoi/M060・DOI 10.5281/zenodo.22976041・CC BY 4.0・プレプリント(査読を経ていません)・ORCID 0009-0006-8587-3450

引用するとき

山岸勇輝 (2026). 同居で介護する家族が 65 歳以上である割合は、介護を受ける人が 70〜74 歳で 0.836、85〜89 歳で 0.473 と下がり、90 歳以上で 0.594 に戻る [M060]. YOI: https://www.yamagishiyuuki.com/yoi/M060 ・ DOI: 10.5281/zenodo.22976041

Yamagishi, Y. (2026). The Share of Co-resident Family Caregivers Aged 65+ Is 0.836 When the Person Receiving Care Is 70–74, Falls to 0.473 at 85–89, and Returns to 0.594 at 90+ [M060]. YOI: https://www.yamagishiyuuki.com/yoi/M060; DOI: 10.5281/zenodo.22976041

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  author = {Yamagishi, Yuuki},
  title = {The Share of Co-resident Family Caregivers Aged 65+ Is 0.836 When the Person Receiving Care Is 70–74, Falls to 0.473 at 85–89, and Returns to 0.594 at 90+},
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  note = {Preprint}
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指紋(SHA-256)と確かめ方
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