【F004】RSI の「買われすぎ 70」は、自分が選んだ足種に属している

要旨

本稿が問うのは、RSI の「70」という数が何に属しているのか、である。答えは、相場ではなく、自分が選んだ足種に属している、である。新しい数学定理も新しい法則も主張しない。

第一に、同じ閾値 30/70 のまま足種だけを変えると、RSI が外にある割合は五分足の 8.5015% から四時間足の 16.2095% まで動く。足種のあいだの比は中央 1.6130 である(第3節)。

第二に、これが本稿の芯である。独立な正規増分で作った系列では、同じ比が 1.0921 から 1.0980 でほぼ平らになる。 つまり足種による違いは RSI の定義から出るのではなく、相場の側から出ている(第6節)。

第三に、閾値を 60 から 80 へ動かすと、選ぶ割合は 19.0345 倍から 36.6540 倍まで変わる。閾値を選ぶことは、どれだけ稀な出来事を拾うかを選ぶことである(第4節)。

第四に、方向の情報を測ると、日次クラスタの t の絶対値が 2 以上になったセルは 16 のうち 10 である。偶然なら およそ 0.7 セルなので、ここで止めれば「効いている」と読める(第5節)。

第五に、だが重なる区間を除くと、同じ数は 16 のうち 2 に落ちる。件数は 0.0244 倍に減り、16 のうち 4 セルで符号が反転する。二十四時間先まで測りながら五分ごとに建てていたので、隣り合う二件は 288 分の 287 が同じ区間だった(第7節)。

第六に、そして実測の方向の情報は、四銘柄すべてで合成乱数 20 系列の幅の中にある(第7節)。

本稿の射程(scope note):新しい数学定理も新しい法則も主張しない。RSI の定義、ワイルダーの平滑化、ランダムウォークはすべて既知である。特定の商材や提唱者を論じない。実在の教材、その著者、販売元は主題ではなく、一切名指さない。扱うのは公知の指標そのものである。売買を論じない。本稿が測るのは方向の情報であって、手数料・約定・資金管理を含む売買の成績ではない。射程は日中・少数銘柄に限る。四銘柄・六年・四つの足種の測定である。すべての市場、すべての時間尺度について述べるものではない。とくに、月次の時系列モメンタムのようにより長い保有で文書化されている結果を、本稿は否定しない。逆張りの読み方だけを測る。順張り(70 で買い・30 で売り)は信号の符号を反転しただけなので、方向の情報も符号が反転するだけである。ダイバージェンスを扱わない。価格と RSI の食い違いを見る読み方は、閾値の話ではないので本稿の外にある。予測を主張しない。既刊との関係:論文264 は閾値が自分の格子に属することを示した。本稿はそれを、相場の指標で測る。論文422 は、規則の核心と名指された条件を外しても成績が動かないことを示した。本系列の F003 は、ボリンジャーバンドの倍率が触れる回数だけを動かすことを示した。本稿は同じ形を、買われすぎの閾値という別の数で測る。加えたのは、足種を分離子として先に宣言し、四通りで測ったこと、独立な増分の系列では足種に依らないはずだという予測を先に書いて、実測と並べたこと、重なる区間を除いた形を同じ表に並べたことである。

1. 記法と問い

RSI は次のように作られる。終値の差を上げ幅と下げ幅に分け、それぞれをワイルダーの平滑化(係数は期間の逆数)にかけ、その比から 0 から 100 の値を作る。期間は 14 が広く使われる。

読み方としてよく言われるのは、70 以上なら買われすぎ、30 以下なら売られすぎである。

観察 1.1:この 70 という数は、どの足で見るかを決めないと意味を持たない。五分足の 70 と四時間足の 70 は、同じ数ではあるが同じ出来事ではない。

観察 1.2:ただし、足種で違うとは限らない。RSI は上げ幅と下げ幅の比から作られるので、値幅の大きさには依らない。独立な増分の系列なら、RSI の分布は足種に依らないはずである。

問い:足種を変えると、同じ 70 は何を選ぶのか。相場ではどうなるのか。

観察 1.3:だから二つの予測が立つ。
予測A(閾値は格子に属する)。同じ 70 でも、足種が変われば選ぶ割合が変わる。
予測B(閾値は状態を指す)。割合は足種によらずほぼ同じになる。
乱数では予測B になるはずである。だから実測がそこからどれだけ離れるかで決着する。

2. 測る量と設計を、先に書く

測る量は二つある。

一つは、RSI が閾値の外にあった割合である。もう一つは、方向の情報である。

“`
D = 平均( 信号の符号 × これから h 本先までの値動き ) 単位 pips
“`

信号は、RSI が 70 以上なら −1(売り)、30 以下なら +1(買い)、間なら 0 とする。これは逆張りの読み方である。順張りは符号の反転なので測らない。

観察 2.1:先までの長さは、時計で二十四時間にそろえる。 足種ごとに本数が変わる(五分足 288 本・十五分足 96 本・一時間足 24 本・四時間足 6 本)。そろえないと、四時間足の方が大きく動くのが当たり前になってしまう。

設計(走らせる前に宣言し、実行時に変えていない)

項目 決めたこと
指標 RSI・期間 14・ワイルダーの平滑化
足 中値・完成足の終値のみ(その足の最後のティック)
銘柄 USDJPY・EURUSD・GBPUSD・XAUUSD
期間 2019–2024。選択 2019–2021 / 評価 2022–2024
先までの長さ 時計で二十四時間(足種ごとに本数が変わる)
分離子 足種 5分・15分・1時間・4時間
閾値 40/60・30/70・20/80(標準は 30/70)
期間 n 7・14・21(標準は 14)
コスト 同じ足のスプレッドの中央値を必ず並べて書く

足の本数は次のとおりである。

銘柄 5分 15分 1時間 4時間
USDJPY 438,283 146,125 36,534 9,640
EURUSD 438,505 146,202 36,554 9,648
GBPUSD 438,199 146,127 36,535 9,644
XAUUSD 418,478 139,501 34,892 9,442

3. 足種を変える。これが分離子である

計算 3.1 同じ 70 が選ぶ割合(評価期間・閾値 30/70 固定)

銘柄 5分 15分 1時間 4時間 最大÷最小
USDJPY 9.3756% 10.8310% 14.6152% 16.2095% 1.7289
EURUSD 8.6028% 9.5140% 11.8048% 12.8785% 1.4970
GBPUSD 8.7676% 9.2814% 11.4524% 11.1457% 1.3062
XAUUSD 8.5015% 9.8677% 12.6550% 15.3115% 1.8010

観察 3.2:足種のあいだの比は中央 1.6130(最小 1.3062・最大 1.8010)である。同じ 70 が、足種によって 1.3 倍から 1.8 倍まで違う量の時間を選ぶ。

観察 3.3:向きはそろっている。四銘柄のうち三つで、足が長いほど外に出る割合が大きい。GBPUSD だけ四時間足が一時間足をわずかに下回る(11.1457% と 11.4524%)。

観察 3.4:この時点では、これが相場の性質なのか RSI の定義の性質なのかが分からない。第6節の基準線がそれを分ける。

計算 3.5 RSI そのものの分位点(評価期間・USDJPY)

足種 5%点 25%点 50%点 75%点 95%点
5分 31.2984 43.1382 51.1103 58.9041 70.4023
15分 30.9084 43.4603 51.6618 59.5808 71.7251
1時間 29.8778 43.7160 53.0342 61.4222 74.2519
4時間 30.2291 44.8420 54.3720 63.6487 76.0226

観察 3.6:分布が足種で広がっている。95%点は五分足の 70.4023 から四時間足の 76.0226 へ上がる。閾値 70 は、五分足ではちょうど 95%点あたりに、四時間足では 95%点よりかなり内側に当たっている。 同じ数が、分布の別の場所を指している。

図1 同じ 70 が選ぶ割合は、足種で変わる

図1:左が閾値の外にあった割合(丸が実測、三角の破線が合成乱数)、右が方向の情報。乱数の線はほぼ水平で、実測だけが右上がりになる。

図2 同じ 70 が選ぶ割合は、足種で変わる

図2:足種ごとの RSI の五つの分位点を、四銘柄について並べたもの。破線が 30 と 70 である。足が長くなるほど分布が広がり、閾値は分布に対して内側へ移る。

4. 閾値と期間を動かす

計算 4.1 閾値を動かす(足種は 1時間に固定・評価期間)

銘柄 40/60 割合 40/60 D 30/70 割合 30/70 D 20/80 割合 20/80 D
USDJPY 46.3476% −3.5395 14.6152% −5.6184 2.4349% −3.7672
EURUSD 43.7147% 1.9198 11.8048% 3.6954 1.5594% 3.1672
GBPUSD 43.2696% 2.0151 11.4524% 4.7249 1.1805% −5.9047
XAUUSD 45.0014% −1.5155 12.6550% 6.1395 1.5090% 27.3643

観察 4.2:閾値を 60 から 80 へ動かすと、選ぶ割合は 19.0345 倍(USDJPY)から 36.6540 倍(GBPUSD)まで変わる。閾値を選ぶことは、どれだけ稀な出来事を拾うかを選ぶことである。

観察 4.3:XAUUSD の 20/80 は 27.3643 pips と大きく見えるが、件数の元になる割合は 1.5090% しかない。割合が小さいところの値は、少ない件数から出ている。

計算 4.4 期間を動かす(足種 1時間・閾値 30/70・評価期間)

銘柄 n=7 割合 n=7 D n=14 割合 n=14 D n=21 割合 n=21 D
USDJPY 28.3179% −5.6936 14.6152% −5.6184 8.3347% −2.4805
EURUSD 26.5217% 3.8828 11.8048% 3.6954 5.9192% 5.3601
GBPUSD 26.1217% 2.0488 11.4524% 4.7249 5.2423% 3.5941
XAUUSD 26.8420% −1.7255 12.6550% 6.1395 6.4876% 6.8582

観察 4.5:期間を短くすると RSI は動きやすくなり、外に出る割合は増える。足種・閾値・期間のどれを動かしても割合は動く。 三つとも、選ぶ側が決めている量である。

5. 方向の情報を測る

計算 5.1 足種ごとの方向の情報(評価期間・先は二十四時間)

銘柄 足種 件数 D(全体) Dd(日次) 日次 t 件/日 spr
USDJPY 5分 20,035 −3.7140 1.7842 0.88 20.5 0.60
USDJPY 15分 7,717 −7.2479 5.6572 1.99 8.0 0.60
USDJPY 1時間 2,602 −5.6184 9.2014 2.32 4.0 0.60
USDJPY 4時間 780 −7.6892 1.9489 0.36 3.0 0.60
EURUSD 5分 18,443 1.6300 1.6324 1.55 19.0 0.30
EURUSD 15分 6,794 2.3461 7.5878 5.34 7.0 0.30
EURUSD 1時間 2,107 3.6954 11.7607 5.46 3.0 0.30
EURUSD 4時間 621 3.1291 8.2494 2.85 2.0 0.30
GBPUSD 5分 18,791 0.1821 2.3702 1.55 20.0 0.90
GBPUSD 15分 6,635 0.8455 10.8318 5.44 7.0 0.90
GBPUSD 1時間 2,047 4.7249 16.9740 5.29 3.0 0.90
GBPUSD 4時間 537 −2.0528 10.1360 2.42 2.0 0.90
XAUUSD 5分 17,815 −5.4496 2.7598 0.66 19.0 3.50
XAUUSD 15分 6,894 −5.4632 20.5919 3.89 7.0 3.50
XAUUSD 1時間 2,214 6.1395 39.6301 5.12 3.0 3.54
XAUUSD 4時間 725 18.1759 41.0519 3.75 2.0 3.57

観察 5.2:日次クラスタの t の絶対値が 2 以上になったセルは 16 のうち 10 である。偶然なら およそ 0.7 セルなので、ここで止めれば「RSI の逆張りは効いている」と読める。

観察 5.3:しかも日次平均は大きい。XAUUSD の四時間足で 41.0519 pips、GBPUSD の一時間足で 16.9740 pips である。スプレッド(0.30 から 3.57)を大きく上回る。

観察 5.4:だが全体の平均と日次平均で符号が食い違ったセルが 16 のうち 7 ある。USDJPY の一時間足は全体で −5.6184、日次で 9.2014 である。この時点で、何かが一致していない。

観察 5.5:そして重なりを疑うべき形がそろっている。 五分足では一日あたり 20.5 件建てており、先までの長さは二十四時間である。隣り合う二件は 288 分の 287 が同じ区間を見ている。

6. 基準線、乱数では足種に依らないはずである

第1節で書いたとおり、独立な増分の系列なら RSI の分布は足種に依らない。実際にそうなるかを測る。

計算 6.1 合成乱数での割合(20 系列の中央・評価期間)

銘柄 5分 15分 1時間 4時間 最大÷最小
USDJPY 9.1317% 9.2489% 9.3255% 10.0270% 1.0980
EURUSD 9.1335% 9.2568% 9.3147% 10.0062% 1.0955
GBPUSD 9.1316% 9.2492% 9.3208% 10.0145% 1.0967
XAUUSD 9.1616% 9.1371% 9.2969% 9.9789% 1.0921

観察 6.2:乱数では比が 1.0921 から 1.0980 で、ほぼ平らである。 予測B のとおりになった。

観察 6.3:実測の比は中央 1.6130 だった。 したがって、足種で割合が変わることは RSI の定義から出るのではなく、相場の側から出ている。

観察 6.4:ここで「だから相場に構造がある」と読みたくなる。その読みは正しいが、方向については何も言っていない。 割合が足種で変わることと、方向が当たることは別である。

7. 重なりを除く。そして方向の基準線

計算 7.1 区間が重ならない形で測り直す(評価期間)

h 本ごとに一件だけを残し、見ている区間が重ならないようにする。

銘柄 足種 重複あり件数 D 日次 t 重複なし件数 D t
USDJPY 5分 20,035 −3.7140 0.88 47 −13.8170 −0.79
USDJPY 15分 7,717 −7.2479 1.99 97 −15.0825 −1.59
USDJPY 1時間 2,602 −5.6184 2.32 86 −17.2500 −1.46
USDJPY 4時間 780 −7.6892 0.36 129 −10.3709 −1.14
EURUSD 5分 18,443 1.6300 1.55 83 4.9078 0.83
EURUSD 15分 6,794 2.3461 5.34 107 13.3626 2.30
EURUSD 1時間 2,107 3.6954 5.46 82 5.0415 0.82
EURUSD 4時間 621 3.1291 2.85 94 2.1005 0.46
GBPUSD 5分 18,791 0.1821 1.55 64 −0.2133 −0.03
GBPUSD 15分 6,635 0.8455 5.44 65 −20.3808 −2.27
GBPUSD 1時間 2,047 4.7249 5.29 89 6.3421 0.77
GBPUSD 4時間 537 −2.0528 2.42 81 −6.9747 −0.81
XAUUSD 5分 17,815 −5.4496 0.66 68 −5.2005 −0.23
XAUUSD 15分 6,894 −5.4632 3.89 74 4.5736 0.21
XAUUSD 1時間 2,214 6.1395 5.12 93 −3.0142 −0.18
XAUUSD 4時間 725 18.1759 3.75 120 14.6439 0.89

観察 7.2:日次 t の絶対値が 2 以上のセルは、16 のうち 10 から 16 のうち 2 へ落ちる。 件数は中央 0.0244 倍に減る。

観察 7.3:16 のうち 4 セルで符号が反転する。 GBPUSD の十五分足は 0.8455 から −20.3808 になり、しかも t の絶対値は 2 を超えたままで符号が逆である。

観察 7.4:日次クラスタは同じ日の重なりしか畳まない。 先が二十四時間あるので、日をまたぐ重なりが残る。第5節の t はそれを数え落としていた。

観察 7.5:ただし重複を除くと件数は 47 から 129 まで落ちる。検出力は大きく下がる。 「2 に落ちた」は「無い」ではなく、この件数では見えないである。

計算 7.6 方向の情報の基準線(一時間足・評価期間)

銘柄 実測 D 実測 Dd 乱数 D の中央 乱数の最小 乱数の最大 幅の中か
USDJPY −5.6184 9.2014 −0.7568 −10.2575 13.9151 はい
EURUSD 3.6954 11.7607 −0.4668 −6.7974 9.5068 はい
GBPUSD 4.7249 16.9740 −0.7607 −9.9501 13.7297 はい
XAUUSD 6.1395 39.6301 1.5722 −21.7173 31.4311 はい

観察 7.7:四銘柄すべてで、実測は乱数 20 系列の幅の中にある。 割合の側では実測と乱数がはっきり分かれた(第6節)のに、方向の側では分かれない。

観察 7.8:この二つを並べると、本稿の答えになる。 足種を変えると選ぶ割合は動く(乱数と分かれる)。だが方向は動かない(乱数と分かれない)。

8. 時間帯で分ける

設計:協定世界時で重ならない五区分に分ける。東京 0–7 時、ロンドン 7–12 時、重複 12–16 時、ニューヨーク後半 16–21 時、夜間 21–24 時である。足種は一時間足。

計算 8.1 五区分それぞれの方向の情報(評価期間)

銘柄 東京 0–7 ロンドン 7–12 重複 12–16 NY後半 16–21 夜間 21–24
USDJPY −9.78(t −0.01) −3.97(t 0.46) −0.10(t 0.55) −3.43(t −0.14) −15.41(t −1.58)
EURUSD 10.51(t 2.40) 4.65(t 2.11) −0.50(t 1.53) 1.11(t 0.98) 2.77(t −0.01)
GBPUSD 11.15(t 1.46) 0.65(t 0.99) 3.25(t 2.80) 5.83(t 1.69) −0.27(t 0.59)
XAUUSD 13.92(t 2.37) 25.57(t 1.16) −3.16(t 1.35) −9.61(t 0.83) 18.50(t 1.50)

観察 8.2:日次 t の絶対値が 2 以上になったセルは 20 のうち 4 である。偶然なら およそ 0.9 セルなので、実測はそれを上回る。

観察 8.3:だがこの表は重なりを除いていない。 第7節で、重なりを除くと同じ種類の t が 10 から 2 へ落ちた。時間帯で分けた t も、同じだけ割り引いて読む必要がある。

観察 8.4:五区分を試している以上、どれか一つが有意に見えるのは当たり前である。見るのは、有意になった数が偶然より多いかである。そして重なりの補正を入れていない数を、偶然の数と比べても意味が薄い。

9. 限界

  1. 重なりを除くと件数が二桁減る。 47 から 129 件では、スプレッドの数倍の効果でも見えない。「有意でない」は「無い」ではない。
  2. 重なりを除く方法を一つしか使っていない。 h 本ごとに一件を取る格子の置き方は一通りで、始まりをずらした版は測っていない。
  3. 固定の先までのリターンで測っている。 利確と損切りで切る出口では測っていない。
  4. 逆張りの読み方だけを測っている。 順張りは符号の反転で読み替えられるが、ダイバージェンス(価格と RSI の食い違い)は閾値の話ではないので扱っていない。
  5. 合成乱数は独立な正規増分である。 ボラティリティの群れは入っていない。割合の側で実測と乱数が分かれたことの一部は、そこから来ている可能性があるが、測っていない。
  6. 時間帯の表は重なりの補正を入れていない(観察 8.3)。
  7. 四銘柄・六年である。 他の市場、他の期間について述べるものではない。

結び

RSI の 70 は、相場の状態を指しているように見える。だが同じ 70 が選ぶ割合は、五分足の 8.5015% から四時間足の 16.2095% まで動く。独立な増分の系列ではこの比が 1.09 でほぼ平らになるのだから、動いているのは相場の側である。

そこまでは、相場についての事実である。だがそれは方向については何も言っていない。 方向の情報は、重なる区間を除くと日次 t が 2 を超えるセルが 10 から 2 に落ち、四銘柄すべてで乱数の幅の中に入った。

分けるものは一つ、足種を変えたとき、選ぶ割合が動いたのか、方向が動いたのか、である。 動いたのは割合だけだった。

そして本稿の最大の教訓は、第5節と第7節の差にある。二十四時間先まで測りながら五分ごとに建てれば、同じ出来事を何度も数えることになる。 日ごとに平均するだけでは足りない。先の長さと、建てる間隔を、並べて書くこと。

データと再現

データ 為替は Dukascopy 由来のティック(2019 年以降はミリ秒・bid・ask まで一致することを確認済み)。金は Dukascopy
期間 2019–2024(六年)。選択 2019–2021 / 評価 2022–2024
銘柄 USDJPY・EURUSD・GBPUSD・XAUUSD
足 5分・15分・1時間・4時間。中値・完成足の終値のみ。ティックの無い足は作らない
検算 検算/F004.py(--zu で図も書き出す)。本文の数字はすべて 検算/F004_output.txt から取っている
図 図/F004_zu1・図/F004_zu2(png・svg・英語版)
乱数の種 0〜19 に固定。再実行しても同じ値が出る
土台の検査 _ツール/audit_bars.py(足の先読み・夏時間・日の区切り)。記録は _土台の検査.txt

参考文献

  • 山岸勇輝 (2026). 閾値は格子に属する [論文264]. Zenodo. 10.5281/zenodo.22169720
  • 山岸勇輝 (2026). 規則の核心と名指された条件を外しても、成績が動かない [論文422]. Zenodo. 10.5281/zenodo.22700081
  • 山岸勇輝 (2026). ボリンジャーバンドの σ 倍率は、触れる回数を変えて、方向を変えない [F003]. Zenodo. 10.5281/zenodo.22881085

作成にあたって:本稿の着想と内容は、著者自身の考察に基づくものです。文章の構成整理や英訳、数式の確認には AI(大規模言語モデル)の助力を得ました。最終的な内容の解釈や誤りがあれば、それらはすべて著者の責に帰します。お気づきの点があれば、ご教示いただければ幸いです。

書誌

山岸勇輝(2026)「RSI の「買われすぎ 70」は、自分が選んだ足種に属している」[F004]. Zenodo.
DOI: 10.5281/zenodo.22881156

YOI F004FX と金融ビットコインに記録済み

日付の証拠(OpenTimestamps):日本語版の .ots・英語版の .ots・SHA256SUMS

予備の置き場所(ミラー。中身は上と同じです):PDF 日本語・PDF English・SHA256SUMS

住所:https://www.yamagishiyuuki.com/yoi/F004・DOI 10.5281/zenodo.22881156・CC BY 4.0・プレプリント(査読を経ていません)・ORCID 0009-0006-8587-3450

引用するとき

山岸勇輝 (2026). RSI の「買われすぎ 70」は、自分が選んだ足種に属している [F004]. YOI: https://www.yamagishiyuuki.com/yoi/F004 ・ DOI: 10.5281/zenodo.22881156

Yamagishi, Y. (2026). The “Overbought 70” of RSI Belongs to the Bar Size You Chose [F004]. YOI: https://www.yamagishiyuuki.com/yoi/F004; DOI: 10.5281/zenodo.22881156

@misc{yamagishi2026yoiF004,
  author = {Yamagishi, Yuuki},
  title = {The "Overbought 70" of RSI Belongs to the Bar Size You Chose},
  year = {2026},
  howpublished = {YOI: https://www.yamagishiyuuki.com/yoi/F004},
  doi = {10.5281/zenodo.22881156},
  note = {Preprint}
}
指紋(SHA-256)と確かめ方
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