要旨
本稿が問うのは、公表される「5 年生存率」がどの数を指しているか、である。答えは、少なくとも三つある、である。どんな原因の死亡も数える実測生存率、がんだけが死因となる状況を仮定するネット・サバイバル、一般の人の生存率で割る相対生存率。同じ人たちでも実測とネットは数点から十点あまり違い、その差はがん以外の死亡が多い高い年齢で大きく開く。新しい数学定理も新しい法則も主張しない。
第一に、院内がん登録の 2014-2015 年 5 年生存率集計は、同じ人たちについて実測生存率とネット・サバイバルを並べている。全がんでは実測 60.3 %、ネット 66.2 %(差 5.9 点)である。住民全体の全国がん登録(2016〜2018 年診断例)は、相対生存率を公表している(第3節)。
第二に、これが本稿の芯である。同じ人たちの二つの数の差(ネット − 実測)は、23 部位の中央値で 4.3 点、最も大きい前立腺がんで 11.8 点(実測 83.3 %・ネット 95.1 %)、最も小さい甲状腺未分化がんで 0.3 点、膵臓がんで 0.9 点である。 差を「実測で減った分(100 − 実測)」で割ると、前立腺がんは 0.707、膵臓がんは 0.010 になる(第4節)。
第三に、差は年齢とともに開く。 全がんでは、0〜14 歳の 0.1 点から、15〜39 歳 0.2 点、40 歳代 0.5 点、50 歳代 1.2 点、60 歳代 3.0 点、70 歳代 6.7 点、80 歳以上 13.9 点まで、年齢階級が上がるたびに大きくなる。年齢階級がそろう 21 部位すべてで、差が最も大きいのは 80 歳以上である(第5節)。
第四に、二つの「がんの影響だけを見る」数は、どちらも上限の 100 に届く。 前立腺がんⅠ期とⅡ期のネット・サバイバルは 100.0(95 % 区間も 100.0〜100.0)で、同じ人たちの実測は 89.6 % と 91.1 % である。住民全体の相対生存率では、前立腺の限局がファイルの中でただ一つ整数の 100 として入っている。報告書は、相対生存率が生存率の高いがんで理論上 100 % 以上になりうることを、ネットに替えた理由に挙げている(第6節)。
第五に、同じ病名に三つの数が並ぶ。1 対 1 に対応する 13 部位で、院内の実測・院内のネット・住民全体の相対の三つの幅は中央値 6.0 点、最大 12.5 点(膀胱がん)である。院内の実測が三つの中で最も小さいのは 12 部位で、例外は女性卵巣がん(住民全体の相対 59.9 % が院内の実測 63.1 % より低い)である。住民全体の相対 − 院内のネットは −4.6 点から +4.0 点で、集団と診断年が違う数どうしである(第7節)。
第六に、膵臓がんでは三つの数が近い(院内の実測 11.8 %・ネット 12.7 %・住民全体の相対 13.2 %)。前立腺がんでは遠い(83.3 %・95.1 %・95.7 %)。平均年齢はほぼ同じ(71.1 歳と 71.7 歳)である。どの「5 年生存率」かで大きく違うのは、年齢が高く、しかもネットが高いがんである。
本稿の射程(scope note):新しい数学定理も新しい法則も主張しない。実測生存率・相対生存率・ネット・サバイバル(Pohar-Perme 法)の定義と違いは、報告書自身が説明している既知のことである。本稿は公表された数を並べ、差の大きさとその形(部位・年齢・上限)を測るだけである。生存率を自分で計算し直していない。本稿は公開の集計データの数の形を述べる構造的解釈であり、医学的な助言・診断・治療の推奨ではない。著者は医師ではない。個人の健康に関する判断は医師・医療機関に相談すること。査読を経ていないプレプリントである。 一人の見通しではない。どの生存率も、ある時期に診断された人たちの集計である(M003・M006 と同じ)。どれが正しい生存率かを言わない。三つは別の問いに答える数で、目的によって使い分けられる。院内と住民全体の数を「同じ人たちの三つの数」とは扱わない。院内がん登録(2014〜2015 年診断・拠点病院等)と全国がん登録(2018 年診断・住民全体)は、集団も年も違う。施設・地域・治療を比べない。 データについて:報告書と集計表の数は改変せずに載せ、本稿の計算(差・比・幅)と分けて示す。修正履歴の対象で、直しが本体に入っているか分からない 3 か所は使わない。出典:国立がん研究センターがん情報サービス。加えたのは、同じ人たちの実測とネットの差を 23 部位と年齢階級で並べ、差が年齢とともに規則的に開くこと(21 部位すべてで 80 歳以上が最大)を示したこと、ネットも相対も上限の 100 で止まる所があることを、表とファイルの中の値の型まで確かめて示したこと、同じ病名に並ぶ三つの数の幅を測ったことである。
1. 記法と問い
報告書の定義(原文の要約)による。
- 実測生存率:死因に関係なく、すべての死亡を数えた生存率(診断から 5 年後に生きていた人の割合)。
- 相対生存率:実測生存率を、同じ性・年齢・診断年の一般の人の集団の「がんではなかった場合の生存率」(期待生存率)で割ったもの。
- ネット・サバイバル(純生存率):期待生存率を算出せずに、「がんのみが死因となる状況」を仮定して計算する生存率(Pohar-Perme 法)。
- このほか疾病特異的生存率(がん以外の死亡を打ち切りとして扱う)がある。本稿のデータには無い。
問い:公表される「5 年生存率」は、どの数を指しているか。同じ人たちで、それはどれだけ違うか。
観察 1.1:三つの数は、がん以外の原因で亡くなった人をどう扱うかだけが違う。実測は数える。相対は一般の人の死亡で割り戻す。ネットはがんだけが死因の世界を仮定する。一つの言葉が、三つの別の扱いを指している。
2. 下見と設計
正直に書く:本稿の設計は、報告書と集計表の値を見たあとに決めた。
| 中身 | |
|---|---|
| A | 院内がん登録 2014-2015 年 5 年生存率集計(令和 5〔2023〕年 3 月):各部位の「属性別 5 年生存率」表の全体の欄(実測・ネット・95 % 区間)、行は全体・年齢階級・病期Ⅰ〜Ⅳ。24 表(全がん+23 部位) |
| B | 全国がん登録 2016〜2018 年診断例の 5 年相対生存率の集計表:2018 年診断例の部位別(男女計・男女別)と進行度別(限局・領域・遠隔) |
| 比べ方 | A の中の差(ネット − 実測)、上限の行、A と B の同じ病名の三つの数(1 対 1 に対応する 13 部位だけ) |
3. データと、その確かめ
計算 3.1 報告書の PDF・修正履歴・集計表・取り出した JSON・取り出しの道具を SHA-256 で固定した。
| 確かめたこと | 結果 |
|---|---|
| A の表の数・B の部位の数 | A 24 表(全がん+23 部位)、B 部位別 26・進行度別 22 |
| A の使う値(全体の欄のネット)が自分の 95 % 区間の中にあるか | すべて中にある(外なら取り出しが止まる) |
| A のネットが実測より小さい行 | 無い |
| 修正履歴の対象で、直しの有無が分からないので使わない所 | 肝細胞がん 60 歳代のネット、非小細胞肺がん 70 歳代の実測、甲状腺乳頭濾胞がん 40 歳代の実測 |
観察 3.2:修正履歴(2024 年 7 月 3 日現在)は「どこを直したか」を書くが、直した後の値を書いていない。修正履歴に出てくる日付は五つで、本体の PDF(作成 2024 年 6 月 27 日・更新 2024 年 6 月 28 日)より後なのは 2024 年 7 月 3 日だけである。その日付の直しのうち、本稿が使う全体の欄に当たる 3 か所は、本体に入っているか分からないので使わない。残る四つの日付(2023 年 4 月から 10 月)は本体の PDF の作成より前なので、その直しは本体に入っているものとして扱う(一件ずつは確かめていない)。また、表の男性の欄には、ネットの値が自分の 95 % 区間の外にある行がある(全がん・男性・80 歳以上)。本稿は全体の欄だけを使う。
観察 3.3:全がんの全体は、集計対象 942,717 人、平均年齢 68.3 歳、実測 60.3 %、ネット 66.2 %(差 5.9 点)である。
4. 芯、同じ人たちの二つの数は、部位によって数点から十点あまり違う
計算 4.1 部位ごとの実測とネット(A・全体の行・差の大きい順)
| 部位 | 実測 | ネット | 差(点) | 差 ÷(100 − 実測) | 平均年齢 | 集計対象 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 前立腺がん | 83.3 | 95.1 | 11.8 | 0.707 | 71.7 | 78,332 |
| 喉頭がん | 69.3 | 78.4 | 9.1 | 0.296 | 70.6 | 7,354 |
| 膀胱がん | 54.1 | 62.6 | 8.5 | 0.185 | 74.0 | 18,108 |
| 胃がん | 62.3 | 70.2 | 7.9 | 0.210 | 71.3 | 126,675 |
| 結腸がん | 62.9 | 70.7 | 7.8 | 0.210 | 71.3 | 76,813 |
| 大腸がん | 63.8 | 70.9 | 7.1 | 0.196 | 70.1 | 116,826 |
| 腎がん | 75.1 | 81.6 | 6.5 | 0.261 | 66.2 | 19,960 |
| 直腸がん | 65.3 | 71.3 | 6.0 | 0.173 | 67.7 | 40,013 |
| 腎盂尿管がん | 38.7 | 44.2 | 5.5 | 0.090 | 74.4 | 7,948 |
| 肝細胞がん | 40.3 | 45.1 | 4.8 | 0.080 | 71.9 | 30,699 |
| 食道がん | 43.4 | 47.8 | 4.4 | 0.078 | 69.4 | 29,513 |
| 非小細胞肺がん | 43.2 | 47.5 | 4.3 | 0.076 | 71.1 | 106,783 |
| 甲状腺乳頭濾胞がん | 92.7 | 96.4 | 3.7 | 0.507 | 57.9 | 15,078 |
| 女性乳がん | 88.1 | 91.6 | 3.5 | 0.294 | 60.3 | 85,403 |
| 甲状腺髄様がん | 90.1 | 93.2 | 3.1 | 0.313 | 55.9 | 130 |
| 胆嚢がん | 24.1 | 27.2 | 3.1 | 0.041 | 74.2 | 6,591 |
| 子宮体がん | 80.6 | 83.0 | 2.4 | 0.124 | 60.2 | 18,312 |
| 肝内胆管がん | 19.2 | 21.1 | 1.9 | 0.024 | 71.0 | 4,286 |
| 子宮頸がん | 72.7 | 74.4 | 1.7 | 0.062 | 54.7 | 14,454 |
| 女性卵巣がん | 63.1 | 64.5 | 1.4 | 0.038 | 58.0 | 11,683 |
| 小細胞肺がん | 10.6 | 11.5 | 0.9 | 0.010 | 71.0 | 9,937 |
| 膵臓がん | 11.8 | 12.7 | 0.9 | 0.010 | 71.1 | 33,557 |
| 甲状腺未分化がん | 6.0 | 6.3 | 0.3 | 0.003 | 73.6 | 321 |
観察 4.2:同じ人たちでも、二つの数の差は部位で 0.3 点から 11.8 点まで違う。 中央値は 4.3 点である。
観察 4.3:「差 ÷(100 − 実測)」は、実測で 5 年のあいだに減った分のうち、ネットでは減らない分の割合である(本稿の計算・目安)。前立腺がんは 0.707 で、実測で減った分の七割はネットには現れない。膵臓がんと小細胞肺がんは 0.010 で、実測で減った分のほとんどがネットにも現れる。
観察 4.4:23 部位で、差と平均年齢の相関は 0.350、差と実測の相関は 0.445 である(部位の数え方にも依る目安)。差を決めているのは、年齢の高さだけではない。平均年齢がほぼ同じ前立腺がん(71.7 歳)と膵臓がん(71.1 歳)で、差は 11.8 点と 0.9 点である。 ネットが低い(がんだけが死因の世界でも 5 年のあいだに多くの人が亡くなる)膵臓・小細胞肺・甲状腺未分化では、平均年齢が 70 歳を超えていても差が 1 点に届かない。

図1:部位ごとに、灰が実測生存率、紺がネット・サバイバル。上ほど差が大きい。
5. 差は、年齢とともに開く
計算 5.1 全がんの年齢階級ごとの二つの数(A)
| 年齢階級 | 実測 | ネット | 差 |
|---|---|---|---|
| 0〜14 歳 | 84.6 | 84.7 | 0.1 |
| 15〜39 歳 | 84.6 | 84.8 | 0.2 |
| 40 歳代 | 82.7 | 83.2 | 0.5 |
| 50 歳代 | 74.2 | 75.4 | 1.2 |
| 60 歳代 | 66.6 | 69.6 | 3.0 |
| 70 歳代 | 57.9 | 64.6 | 6.7 |
| 80 歳以上 | 35.9 | 49.8 | 13.9 |
観察 5.2:全がんでは、年齢階級が上がるたびに差が大きくなる(0.1 → 0.2 → 0.5 → 1.2 → 3.0 → 6.7 → 13.9 点)。年齢階級が 4 つ以上そろう 21 部位すべてで、差が最も大きいのは 80 歳以上である。
観察 5.3:前立腺がんでは、40 歳代の実測 89.9 %・ネット 90.9 % から、80 歳以上の実測 56.8 %・ネット 83.2 % まで、差が開く。高い年齢の「5 年生存率」ほど、どの数かで大きく違う。

図2:全がんの年齢階級ごとの実測生存率(灰)とネット・サバイバル(紺)。二本の線は、年齢が上がるほど離れる。
6. 上限の 100
観察 6.1:院内の集計で、ネット・サバイバルが 100.0 に届くのは前立腺がんのⅠ期とⅡ期だけで、95 % 区間も 100.0〜100.0 である。同じ人たちの実測は 89.6 % と 91.1 % である。
観察 6.2:住民全体の相対生存率では、限局の値が高い順に、前立腺 100.000、甲状腺 99.808、乳房(女性のみ)99.149、皮膚 98.190 である。前立腺の限局だけが、ファイルの中で整数の 100 として入っている(ほかの相対生存率はすべて小数)。
観察 6.3:報告書は、相対生存率が「生存率の高いがん種において理論上 100 % 以上になることが生じる」ことを、ネット・サバイバルに替えた理由の一つに挙げている。本稿のデータでは、ネットの側でも上限の 100.0 で止まる行がある。上限の値は、「がんで亡くなる人がいない」という意味ではなく、それ以上の差を数が表せない所として読む必要がある(どう扱われて 100 になったかは、本稿は確かめていない)。
7. 同じ病名に並ぶ三つの数
計算 7.1 1 対 1 に対応する 13 部位の三つの数(A は院内・2014〜2015 年診断、B は住民全体・2018 年診断。女性乳がんは B の女性の欄)
| 部位(A/B) | A 実測 | A ネット | B 相対 | B − A ネット | B の対象者数 |
|---|---|---|---|---|---|
| 胃がん/胃 | 62.3 | 70.2 | 66.1 | -4.1 | 111,572 |
| 大腸がん/大腸(結腸・直腸) | 63.8 | 70.9 | 69.9 | -1.0 | 136,734 |
| 結腸がん/結腸 | 62.9 | 70.7 | 69.5 | -1.2 | 91,065 |
| 直腸がん/直腸 | 65.3 | 71.3 | 70.6 | -0.7 | 45,669 |
| 食道がん/食道 | 43.4 | 47.8 | 48.8 | +1.0 | 20,961 |
| 膵臓がん/膵臓 | 11.8 | 12.7 | 13.2 | +0.5 | 37,714 |
| 女性乳がん/乳房(女性のみ) | 88.1 | 91.6 | 89.7 | -1.9 | 89,092 |
| 子宮頸がん/子宮頸部 | 72.7 | 74.4 | 73.1 | -1.3 | 10,423 |
| 子宮体がん/子宮体部 | 80.6 | 83.0 | 81.1 | -1.9 | 15,835 |
| 前立腺がん/前立腺 | 83.3 | 95.1 | 95.7 | +0.6 | 82,967 |
| 膀胱がん/膀胱 | 54.1 | 62.6 | 66.6 | +4.0 | 20,363 |
| 喉頭がん/喉頭 | 69.3 | 78.4 | 81.6 | +3.2 | 4,386 |
| 女性卵巣がん/卵巣 | 63.1 | 64.5 | 59.9 | -4.6 | 9,602 |
観察 7.2:三つの数の幅(最大 − 最小)は、13 部位の中央値で 6.0 点、最大は膀胱がんの 12.5 点である。院内の実測が三つの中で最も小さいのは 12 部位で、例外は女性卵巣がん(住民全体の相対 59.9 % が院内の実測 63.1 % より低い)である。
観察 7.3:住民全体の相対 − 院内のネットは、中央値 −1.0 点、最小 −4.6 点(女性卵巣がん)、最大 +4.0 点(膀胱がん)で、低い部位が 8、高い部位が 5 ある。この差には、計算の違い(相対とネット)に加えて、集団の違い(拠点病院等の患者か、住民全体か)と診断年の違いが混ざっている。本稿はそれを分けていない。
観察 7.4:膵臓がんでは三つの数が近い(11.8 %・12.7 %・13.2 %)。前立腺がんでは遠い(83.3 %・95.1 %・95.7 %)。

図3:13 部位ごとに、灰が院内の実測、紺が院内のネット、朱の菱形が住民全体の相対。灰の線が短い部位ほど、どの「5 年生存率」を見ても近い数になる。
8. 限界
- 生存率を計算し直していない。 公表された数を並べただけである。
- 院内と住民全体は別の集団である。 第7節の差には、計算の違いのほかに集団と年の違いが混ざっている。
- 疾病特異的生存率は数えていない。 データに無い。
- 上限の 100 がどう扱われた値かは確かめていない。
- 修正履歴の対象の 3 か所は使っていない。 本体に直しが入っているか分からないため。
- 「差 ÷(100 − 実測)」は目安である。 がん以外で亡くなった人の割合そのものではない。
- 一人の見通しではない。施設・地域・治療を比べない。
結び
同じ人たちでも、「5 年生存率」は、がん以外の死亡を数えるかどうかで違う数になる。差は 23 部位の中央値で 4.3 点、前立腺がんで 11.8 点だった。全がんでは年齢階級が上がるたびに差が開き(0.1 点から 13.9 点)、21 部位すべてで 80 歳以上が最も大きかった。がんの影響だけを見る二つの数は、どちらも上限の 100 に届く所がある。そして同じ病名に、院内の実測・ネット・住民全体の相対が、中央値 6.0 点の幅で並ぶ。
分けるものは一つ、がん以外の原因で亡くなる人を、数えるか、割り戻すか、いない世界を仮定するか、である。
その違いが大きく効くのは、年齢が高く、しかもネットが高いがんである。「5 年生存率は何 % 」と聞いたら、どの 5 年生存率かを一緒に聞く。
データと再現
| データ | A:院内がん登録 2014-2015 年 5 年生存率集計(令和 5〔2023〕年 3 月・国立研究開発法人国立がん研究センター がん対策研究所 がん登録センター)と修正履歴。B:全国がん登録 2016〜2018 年診断例の 5 年相対生存率の集計表(cancer_survivalNCR(2016-2018).xlsx)。どちらも出典:国立がん研究センターがん情報サービス(2026 年 9 月 25 日に取得) |
| 利用条件 | がん情報サービス「著作権について」と、集計表の「利用の際のルール」(原著論文では英文の出典を明記)。B の英文の出典として、頁に書かれた二つ(Center for Cancer Control and Information Services 2020、Matsuda ら 2011)を参考文献に挙げた(ファイルの中では、本稿が使う二つのシートの引用文献は前者)。数は改変せずに載せ、本稿の計算と分けた |
| 範囲 | A:24 表の全体の欄(全体・年齢階級・病期)。B:2018 年診断例の部位別と進行度別 |
| 検算 | 検算/M007.py(--zu で図も書き出す)。本文の数字はすべて 検算/M007_output.txt から取っている |
| 生データ | data/hosp_c_reg_surv_2014-2015.pdf・data/hosp_c_reg_surv_2014-2015_syusei.pdf・data/cancer_survivalNCR(2016-2018).xlsx、取り出しの道具 data/extract_m007.py、取り出した値 data/m007_values.json、data/SOURCES.md(利用条件・定義の原文・SHA-256) |
| 図 | 図/M007_zu1・図/M007_zu2・図/M007_zu3(png・svg・英語版) |
参考文献
- Center for Cancer Control and Information Services, National Cancer Center (2020). Monitoring of Cancer Incidence in Japan – Survival 2009-2011 Report.
- Matsuda, T., Ajiki, W., Marugame, T., Ioka, A., Tsukuma, H., & Sobue, T. (2011). Population-based Survival of Cancer Patients Diagnosed Between 1993 and 1999 in Japan: A Chronological and International Comparative Study. Japanese Journal of Clinical Oncology. 10.1093/jjco/hyq167
- 国立研究開発法人国立がん研究センター がん対策研究所 がん登録センター (2023). 院内がん登録 2014-2015年 5年生存率集計. 出典:国立がん研究センターがん情報サービス(2026年9月25日に利用). https://ganjoho.jp/public/qa_links/report/hosp_c/hosp_c_reg_surv/pdf/hosp_c_reg_surv_2014-2015.pdf
- 国立がん研究センターがん情報サービス. 全国がん登録によるがん生存率データ(2016年〜2018年診断例)5年相対生存率 cancer_survivalNCR(2016-2018).xlsx(2026年9月25日に利用). https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/data/dl/excel/cancer_survivalNCR%282016-2018%29.xlsx
- 山岸勇輝 (2026). 平均余命は、誰かが実際に生きる年数ではない [M003]. Zenodo. https://doi.org/10.5281/zenodo.22963485
- 山岸勇輝 (2026). 一度聞いた「5 年生存率」は、生きた年数とともに書き換わる [M006]. Zenodo. https://doi.org/10.5281/zenodo.22964113
作成にあたって:本稿の着想と内容は、著者自身の考察に基づくものです。文章の構成整理や英訳、数式の確認には AI(大規模言語モデル)の助力を得ました。最終的な内容の解釈や誤りがあれば、それらはすべて著者の責に帰します。お気づきの点があれば、ご教示いただければ幸いです。
書誌
山岸勇輝(2026)「「5 年生存率」という一語は、三つの別の数を指している」[M007]. Zenodo.
DOI: 10.5281/zenodo.22964570
日付の証拠(OpenTimestamps):日本語版の .ots・英語版の .ots・SHA256SUMS
予備の置き場所(ミラー。中身は上と同じです):PDF 日本語・PDF English・SHA256SUMS
住所:https://www.yamagishiyuuki.com/yoi/M007・DOI 10.5281/zenodo.22964570・CC BY 4.0・プレプリント(査読を経ていません)・ORCID 0009-0006-8587-3450
引用するとき
山岸勇輝 (2026). 「5 年生存率」という一語は、三つの別の数を指している [M007]. YOI: https://www.yamagishiyuuki.com/yoi/M007 ・ DOI: 10.5281/zenodo.22964570
Yamagishi, Y. (2026). “5-Year Survival” Is One Phrase for Three Different Numbers [M007]. YOI: https://www.yamagishiyuuki.com/yoi/M007; DOI: 10.5281/zenodo.22964570
@misc{yamagishi2026yoiM007,
author = {Yamagishi, Yuuki},
title = {"5-Year Survival" Is One Phrase for Three Different Numbers},
year = {2026},
howpublished = {YOI: https://www.yamagishiyuuki.com/yoi/M007},
doi = {10.5281/zenodo.22964570},
note = {Preprint}
}
指紋(SHA-256)と確かめ方
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