【論文877】折り方でページの並びは変わるが、同じ面に来るページと最後の折り目の和 17 は変わらない

要旨

面付けの図は、ページ番号がばらばらに並んで見える。本稿は、一枚の紙を三回折る三通りの順をすべて試し、並びのうち何が折り方で変わり、何が変わらないかを数える。新しい定理も法則も主張しない。

第一に、紙の上の並びは折り方で変わる。表の上段は、縦・横・縦で $15,2,3,14$、縦・縦・横で $15,10,11,14$、横・縦・縦で $15,2,7,10$ になり、三通りのどの二つも並びが違う(第2節)。

第二に、同じ面に来るページの組は変わらない。三通りすべてで、表に来るページは $\{2,3,6,7,10,11,14,15\}$、裏は $\{1,4,5,8,9,12,13,16\}$ である(第2節)。

第三に、背中合わせは、どれでも奇数とその次である。同じますの表と裏は、三通りすべてで $1$ と $2$、$3$ と $4$ のような組になった(第2節)。

第四に、これが本稿の芯である。最後の折り目をまたぐ隣どうしの和は、三通りとも $17$ だけである。隣り合うますを何回目の折りで重なるかで分けると、三回目(最後)の折りで重なる組の和は、どの折り方でもすべて $17$ だった(第3節)。

第五に、早い折りで重なる組の和は、折り方で変わる。一回目の折りで重なる組の和は $\{5,13\}$・$\{13,21\}$・$\{5,13,21,29\}$、二回目は $\{9,25\}$・$\{9,25\}$・$\{9\}$ で、どちらも折り方で違う(第3節)。

第六に、分離子は、紙の上の位置を問うか、どの面・何番目の折りで重なるかを問うかである。位置は折る順で入れ替わるが、三通りとも、面の組と最後の折り目をまたぐ和は同じだった(第4節)。

キーワード:面付け、折丁、ページ番号、折り方、背。

射程(何を示さないか)

新しい定理も法則も主張しない。一枚の紙を折って折丁にすること、面付けの並びが折り方で変わること、背中合わせのページや折り目をまたぐページの和に決まりがあることは、いずれも印刷と製本で知られている。手順を指示しない。実在の印刷機の版の置き方や、製本所の作業は述べない。大きさを広げない。$4\times2$ のますを三回折る $16$ ページの折丁だけを数え、$32$ ページ以上や、裁ち落とし・くわえ代は扱わない。読み方を一つに決めた。折った束の上から順にページを振り、最後の折り目を背として読むとした。既刊との関係:論文859 は、本のページが波打つかどうかは紙が湿る量より、綴じた辺にどちらの向きを沿わせたかで決まることを示した。本稿はその隣に置く。あちらは綴じた辺に沿う紙の向きを数えた。ここでは一枚の紙のどのますが、どの面・どの折り目の側に来るかを数える。加えたのは、三通りの折り方すべてで紙の上の並びを出したこと、表に来るページの集合が三通りとも同じだと確かめたこと、隣どうしの和を何回目の折りで重なるかで分けたこと、分離子を「位置か、面と重なる順番か」に置いたことである。

1. 記法と問い

設定:表(A 面)と裏(B 面)に、横 $4$・縦 $2$ のますがある紙を考える。「縦」は縦の線で左右を、「横」は横の線で上下を半分に折ることとし、三回折って一つの束にする。束の上から順に、上を向いた面に奇数、下を向いた面にその次の数を振り、紙を開いてますごとのページを読む。

$$\text{縦}\to\text{横}\to\text{縦},\qquad
\text{縦}\to\text{縦}\to\text{横},\qquad
\text{横}\to\text{縦}\to\text{縦}$$

横は一回しか折れないので、折る順はこの三通りですべてである。最後の折り目を背として読むとした。隣り合う二つのますについて、何回目の折りで初めて同じ位置に重なるかを記録した。

問い:面付けの並びのうち、折り方で変わるものと変わらないものは何か。

2. 三通りの並び

計算 2.1:三通りの折る順で、紙のますごとのページを出した。

折る順 面 上段 下段
縦→横→縦 A $15,2,3,14$ $10,7,6,11$
縦→横→縦 B $16,1,4,13$ $9,8,5,12$
縦→縦→横 A $15,10,11,14$ $2,7,6,3$
縦→縦→横 B $16,9,12,13$ $1,8,5,4$
横→縦→縦 A $15,2,7,10$ $14,3,6,11$
横→縦→縦 B $16,1,8,9$ $13,4,5,12$

観察 2.2 並びは変わるが、同じ面に来るページの組は変わらない。三通りのどの二つも、紙の上の並びが違う。それでも A 面に来るページは三通りとも $\{2,3,6,7,10,11,14,15\}$ で、$4$ で割った余りは $2$ か $3$ である。どの折り方でも $1$ から $16$ がちょうど一度ずつ出た。

観察 2.3 背中合わせは、どれでも奇数とその次である。同じますの A 面と B 面のページは、三通りすべてで $(1,2),(3,4),\dots,(15,16)$ の組になった。一枚の紙の一つのますは、束の中で一枚の葉の表と裏になるからである。

3. 隣どうしの和

計算 3.1:隣り合う二つのますのページの和を、何回目の折りで重なる組かで分けた(A 面と B 面の両方)。

折る順 一回目で重なる 二回目で重なる 三回目で重なる
縦→横→縦 $\{5,13\}$ $\{9,25\}$ $\{17\}$
縦→縦→横 $\{13,21\}$ $\{9,25\}$ $\{17\}$
横→縦→縦 $\{5,13,21,29\}$ $\{9\}$ $\{17\}$

観察 3.2 これが本稿の芯である。最後の折り目をまたぐ隣どうしの和は、三通りとも $17$ だけである。三回目の折りで重なる組は、縦→横→縦と横→縦→縦では左右の隣、縦→縦→横では上下の隣で、紙の上の向きは違う。それでも和はどれもすべて $17$ である。最後の折りでは、束の上半分と下半分が鏡のように重なり、上から $j$ 番目の面と下から $j$ 番目の面が隣り合うからである。

観察 3.3 早い折りで重なる組の和は、折り方で変わる。一回目で重なる組の和は $\{5,13\}$・$\{13,21\}$・$\{5,13,21,29\}$、二回目は $\{9,25\}$・$\{9,25\}$・$\{9\}$ だった。ロードマップにあった「対になるページの和は $17$ で一定」は、最後の折り目をまたぐ組に限れば成り立ち、隣どうし全部には成り立たない。

4. 分離子

観察 4.1 分離子は、紙の上の位置を問うか、どの面・何番目の折りで重なるかを問うかである。紙の上の位置は、折る順を入れ替えるだけで変わる。どの面に来るか、何番目の折りで重なるかは、ページを振った折丁の束の中の順番で決まる。三通りすべてで、その順番から決まる面の組と、最後の折り目をまたぐ和 $17$ が同じだった。

観察 4.2 論文859 の隣に置く。859 は、ページが波打つかどうかは綴じた辺にどちらの向きを沿わせたかで決まることを示した。あちらは綴じた辺に沿う紙の向きを数えた。ここでは同じ一枚の紙のどのますが、どの面・どの折り目の側に来るかを数えた。どちらも「紙のどこが背に来るか」を問う。

観察 4.3 言わないこと。実在の版の置き方や製本の手順も、$32$ ページ以上の折丁も、裁ち落としやくわえ代も扱わない。示したのは、並びは折り方で変わっても、面の組と最後の折り目をまたぐ和は変わらないということである。

5. 点呼と結び

  1. 三回折って $16$ ページ(第1節):折る順は三通りだけ。
  2. 上段 $15,2,3,14$・$15,10,11,14$・$15,2,7,10$(計算 2.1):並びは変わる。
  3. $1$ から $16$ が一度ずつ(観察 2.2):三通りすべて。
  4. A 面は $\{2,3,6,7,10,11,14,15\}$(観察 2.2):面の組は変わらない。
  5. 余りは $2$ か $3$(観察 2.2):$4$ で割って。
  6. 背中合わせは奇数とその次(観察 2.3):一枚の葉の表と裏。
  7. 最後の折りで重なる和は $17$(観察 3.2):本稿の芯。
  8. 一回目の和は折り方で違う(観察 3.3):$\{5,13,21,29\}$ まで。
  9. 二回目の和も違う(観察 3.3):$\{9,25\}$ と $\{9\}$。
  10. 位置か、面と重なる順番か(観察 4.1):分離子・論文859。

結び:折り方を変えると紙の上のページの並びは変わるが、同じ面に来るページと、最後の折り目をまたぐ和 $17$ は変わらない。三回折る三通りの順では、表の上段が $15,2,3,14$、$15,10,11,14$、$15,2,7,10$ と違うが、表に来るページは三通りとも $\{2,3,6,7,10,11,14,15\}$ で、背中合わせは奇数とその次である。面と重なる順番は、紙の上の位置ではなく、ページを振った束の中の順番で決まるからである。隣どうしの和は、一回目や二回目の折りで重なる組では折り方ごとに違うが、最後の折りで重なる組は三通りとも $17$ だけである。最後の折りでは束の上半分と下半分が鏡のように重なるからである。既刊との位置:論文859 の「綴じた辺に沿わせた向き」の隣に、一枚の紙のどこがどの面・どの折り目の側に来るかを置いた。正直に言えば、数えたのは $4\times2$ のますを三回折る $16$ ページの折丁だけで、最後の折り目を背として読むと決めた。

参考文献

  1. Kipphan, H. (Ed.). (2001). Handbook of Print Media: Technologies and Production Methods. Springer.
  2. 山岸勇輝 (2026). 『本のページが波打つかどうかは、紙が湿る量より、綴じた辺にどちらの向きを沿わせたかで決まる』[論文859]. YOI: https://www.yamagishiyuuki.com/yoi/859

作成にあたって:本稿の着想と内容は、著者自身の考察に基づくものです。文章の構成整理や英訳、数式の確認には AI(大規模言語モデル)の助力を得ました。最終的な内容の解釈や誤りがあれば、それらはすべて著者の責に帰します。お気づきの点があれば、ご教示いただければ幸いです。

書誌

山岸勇輝(2026)「折り方でページの並びは変わるが、同じ面に来るページと最後の折り目の和 17 は変わらない」[論文877]. YOI: https://www.yamagishiyuuki.com/yoi/877

YOI 877第1版・2026年9月ビットコインに記録済み

日付の証拠(OpenTimestamps):日本語版の .ots・英語版の .ots・SHA256SUMS

予備の置き場所(ミラー。中身は上と同じです):PDF 日本語・PDF English・SHA256SUMS

住所:https://www.yamagishiyuuki.com/yoi/877・CC BY 4.0・プレプリント(査読を経ていません)・ORCID 0009-0006-8587-3450

引用するとき

山岸勇輝 (2026). 折り方でページの並びは変わるが、同じ面に来るページと最後の折り目の和 17 は変わらない [論文877]. YOI: https://www.yamagishiyuuki.com/yoi/877

Yamagishi, Y. (2026). The Folding Order Moves Pages on the Sheet but Not Which Pages Share a Side or the Sum 17 Across the Last Fold [Paper 877]. YOI: https://www.yamagishiyuuki.com/yoi/877

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  author = {Yamagishi, Yuuki},
  title = {The Folding Order Moves Pages on the Sheet but Not Which Pages Share a Side or the Sum 17 Across the Last Fold},
  year = {2026},
  howpublished = {YOI: https://www.yamagishiyuuki.com/yoi/877},
  note = {Preprint, edition 1}
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指紋(SHA-256)と確かめ方
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ff855e26bf62252b9a9bb2cfffdb08f33863f4026be4a971e7c351001404d450 yamagishi_yoi877_v1_en.pdf

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