【論文194】四つの平均は一つの族であり、等号の柵は一つしかない

要旨

調和平均・幾何平均・算術平均・二乗平均は、四つの別の道具に見える。本稿はそれらが一つの族の四点であることを数で確かめ、そのうえで何が本当に四つを分けているのかを測る。新しい数学定理も新しい法則も主張しない。

第一に、四つの名前は一本の連続体の四点である。べき平均 $M_p$ の $p=-1,0,1,2$ が四つの定義と桁まで一致し(差ゼロ)、$p$ を動かすと値は最小値から最大値まで連続に動く(第2節)。

第二に、等号の柵は三つではなく一つである。三つの隣り合う隙間は同時に消え、しかも比を保ったまま消える。隙間の比は $d=0.001$ で $1.000000 : 1 : 1.000000$(第3節)。

第三に、これが本稿の芯である。柵の近くで四つは等間隔に並ぶ。三つの隙間の最大と最小の比は、$x=(1,\,1.001)$ で $1.0000$ である。ところが $x=(1,\,100)$ では $5.0500$ になる。順序は普遍であり、間隔は普遍ではない(第4節)。

第四に、四つを分けている分離子は「何を保存するか」である。四つの平均を四つの保存量に当てると表は対角になる。どの平均もちょうど一つを保ち、残る三つを壊す(第5節)。

第五に、実際に破れる柵は等号条件ではなく「正であること」である。負の値をひとつ入れると順序そのものが逆転する。$x=(1,4,-2)$ で調和平均 $4.0$ が算術平均 $1.0$ を上回る(第7節)。

射程(何を示さないか)

新しい数学定理も新しい法則も主張しない。べき平均の単調性、調和・幾何・算術・二乗の不等式、二次までの展開は、いずれも標準的である。不等式の新しい証明を与えない。本稿が測るのは、既知の不等式が何を隠しているかである。重みつきの平均を扱わない。本稿の数値はすべて等重みである。どの平均を使うべきかを、場面ごとに規定しない。本稿が言うのは「保存量を先に決めれば平均は決まる」という一点だけである。論文157 との関係:157 は体系に現れる $2$ を点呼した。あちらは指数の点呼であり、本稿は集約という操作の点呼である。論文136 との関係:136 は指数平均が裾に握られていることを測った。本稿はその「どちらの裾か」が $p$ の符号で決まることを示す。加えたのは三つの隙間が同時に同じ比で消えることを数で示したこと、柵の近くで四つが等間隔になり遠くでならないことを測ったこと、四かける四の保存表が対角であることを確かめたこと、負の値ひとつで順序そのものが逆転する例を出したことである。

1. 記法と位置づけ

正の数の組 $x=(x_1,x_2,\ldots,x_n)$ に対し、$p\neq 0$ のとき

$$ M_p(x)=\left(\frac{1}{n}\sum_{i=1}^{n} x_i^{p}\right)^{1/p} $$

と定め、$p=0$ のときは

$$ M_0(x)=\exp\left(\frac{1}{n}\sum_{i=1}^{n}\log x_i\right) $$

と定める。数値はすべて自前の計算であり、多倍長で $40$ 桁を保って行った。

位置づけ:「平均」という一語は、少なくとも四つの別の操作に使われている。本稿の問いは「どれが正しいか」ではない。問いは何を動かすと、どの平均を選ぶかが動くのかである。論文157 が $2$ という数の別根を点呼したのと同じ形で、本稿は集約という操作の別根を点呼する。

2. 四つの名前は、一つの族の四点である

検算 2.1:$x=(1,9)$ について、四つの平均を定義から直接計算した値と、$M_p$ に $p=-1,0,1,2$ を入れた値を並べる。

名前 $p$ $M_p$ 直接の定義から 差
調和平均 $-1$ $1.8$ $1.8$ $0$
幾何平均 $0$ $3.0$ $3.0$ $0$
算術平均 $1$ $5.0$ $5.0$ $0$
二乗平均 $2$ $6.40312423743285$ $6.40312423743285$ $0$

四つとも一致した。四つの「別の平均」は、一つの式に四つの数を入れたものである。

検算 2.2:$x=(1,4,9)$ について $p$ を動かす。

$p$ $M_p(x)$ $p$ $M_p(x)$
$-40$ $1.02784595565169$ $0.5$ $4.0$
$-8$ $1.14720049901196$ $1$ $4.66666666666667$
$-4$ $1.31474201393508$ $2$ $5.71547606649408$
$-2$ $1.67065805863656$ $4$ $6.90452705232703$
$-1$ $2.20408163265306$ $8$ $7.84666188903874$
$0$ $3.30192724889463$ $40$ $8.75617591382522$

値は $p$ について単調に増える。そして両端は $\min x=1$ と $\max x=9$ である。$p=-40$ で $1.028$、$p=40$ で $8.756$。

観察 2.3 「平均」は四つではなく、一本の連続体である。その連続体は最小値から最大値まで張られており、四つの名前はそこに打たれた四本の杭にすぎない。$p$ が大きいほど大きい値のほうを見て、小さいほど小さい値のほうを見る。

3. 等号の柵は、三つではなく一つである

四つの平均は $M_{-1}\le M_0\le M_1\le M_2$ の順に並ぶ。ここには三つの不等号があり、三つの等号条件があるように見える。それを数で確かめる。

検算 3.1:$x=(1,\,1+d)$ として、隣り合う三つの隙間を $d$ を縮めながら測る。

$d$ $M_0-M_{-1}$ $M_1-M_0$ $M_2-M_1$ 三つの比
$2$ $0.232051$ $0.267949$ $0.236068$ $0.866025 : 1 : 0.881018$
$1$ $0.0808802$ $0.0857864$ $0.0811388$ $0.942809 : 1 : 0.945824$
$0.5$ $0.0247449$ $0.0252551$ $0.0247549$ $0.979796 : 1 : 0.980192$
$0.2$ $0.00453602$ $0.00455488$ $0.0045361$ $0.995859 : 1 : 0.995876$
$0.1$ $0.0011898$ $0.00119115$ $0.0011898$ $0.998866 : 1 : 0.998867$
$0.01$ $1.24377\times10^{-5}$ $1.24379\times10^{-5}$ $1.24377\times10^{-5}$ $0.999988 : 1 : 0.999988$
$0.001$ $1.24938\times10^{-7}$ $1.24938\times10^{-7}$ $1.24938\times10^{-7}$ $1.000000 : 1 : 1.000000$
$10^{-4}$ $1.24994\times10^{-9}$ $1.24994\times10^{-9}$ $1.24994\times10^{-9}$ $1.000000 : 1 : 1.000000$

三つの隙間は同時に消える。どれか一つが先に閉じることはない。

観察 3.2 柵は三つではなく一つである。$M_p=M_q$($p\neq q$)が起きるのは、どの $p,q$ の組についても「入力が全部同じ値」のときだけであり、それは三つの別の条件ではなく一つの同じ条件である。不等号が三つ並んでいるので条件も三つあるように見えるが、記号の本数と条件の本数は一致しない。

観察 3.3 (この点は提案されていた形の否定である) 「四つの平均はそれぞれ独立した等号条件を持つ」という読みは、検算3.1 が否定する。隙間の比が $1:1:1$ に収束するということは、三つの隙間が同じ量に支配されているということである。その量が何かは次節で出る。

4. 柵の近くでは等間隔、遠くではそうでない

検算 4.1:三つの隙間の最大と最小の比を、散らばりを変えながら測る。

$x$ 四つの平均 三つの隙間 最大/最小
$(1,\,1.001)$ $1.0004998,\ 1.0004999,\ 1.0005,\ 1.0005001$ すべて $1.24938\times10^{-7}$ $1.0000$
$(1,\,1.1)$ $1.047619,\ 1.0488088,\ 1.05,\ 1.0511898$ $0.0011898,\ 0.00119115,\ 0.0011898$ $1.0011$
$(1,\,2)$ $1.3333333,\ 1.4142136,\ 1.5,\ 1.5811388$ $0.0808802,\ 0.0857864,\ 0.0811388$ $1.0607$
$(1,\,9)$ $1.8,\ 3.0,\ 5.0,\ 6.4031242$ $1.2,\ 2.0,\ 1.40312$ $1.6667$
$(1,\,100)$ $1.980198,\ 10.0,\ 50.5,\ 70.714214$ $8.0198,\ 40.5,\ 20.2142$ $5.0500$

柵の近くで四つは等間隔に並び、遠ざかるにつれて間隔が崩れる。$(1,\,100)$ では真ん中の隙間が両端の隙間の $5$ 倍になっている。

観察 4.2 (なぜ等間隔になるか) 入力を $x_i=\mu(1+\delta_i)$ と書き、$\delta$ の平均を $0$、二乗平均を $s^2$ とすると、二次までで

$$ M_p \;\approx\; \mu\left(1+\frac{(p-1)s^2}{2}\right) $$

となる。右辺は $p$ について一次である。そして四つの名前が座る $p=-1,0,1,2$ は等間隔である。だから四つの平均も等間隔に並ぶ。

検算 4.3:この一次性を数で確かめる。$x=(1,\,1.02,\,0.99,\,1.01)$、$\mu=1.005$、$\mathrm{Var}/(2\mu)=6.218905473\times10^{-5}$。

$p$ $(M_p-\mu)/(p-1)$ $\mathrm{Var}/(2\mu)$ との比
$-3$ $6.218982389\times10^{-5}$ $1.00001237$
$-2$ $6.219277482\times10^{-5}$ $1.00005982$
$-1$ $6.219398108\times10^{-5}$ $1.00007922$
$0$ $6.219344229\times10^{-5}$ $1.00007055$
$2$ $6.218713073\times10^{-5}$ $0.99996906$
$3$ $6.218135984\times10^{-5}$ $0.99987627$
$4$ $6.217384769\times10^{-5}$ $0.99975547$

$p$ をどこに取っても同じ数が出る。そしてその数は分散を平均の二倍で割ったものである。

検算 4.4:とくに $p=0$ の場合、これは $M_1-M_0\approx \mathrm{Var}/(2M_1)$ を意味する。散らばりを縮めて比を測る。

散らばり $M_1-M_0$ $\mathrm{Var}/(2M_1)$ 比
$0.5$ $0.084289625$ $0.078125$ $1.078907195$
$0.2$ $0.01263755$ $0.0125$ $1.011003964$
$0.1$ $0.003133447$ $0.003125$ $1.002703038$
$0.03$ $0.00028131806$ $0.00028125$ $1.000242000$
$0.01$ $3.125084\times10^{-5}$ $3.125\times10^{-5}$ $1.000026877$
$0.003$ $2.8125068\times10^{-6}$ $2.8125\times10^{-6}$ $1.000002419$

観察 4.5 三つの隙間を同時に支配していた量は、分散である。柵の近くでは、四つの平均の位置は「平均」と「分散」だけで決まり、分布の形は効かない。散らばりが大きくなってはじめて、四つは形を見はじめる。そのとき等間隔は崩れる。

観察 4.6 順序と間隔を混同してはいけない。$M_{-1}\le M_0\le M_1\le M_2$ という順序は、散らばりがどれほど大きくても成り立つ。しかし間隔は $(1,\,100)$ で $5$ 倍まで開く。「不等式が成り立つ」ことは「四つが同じくらい離れている」ことを一切含意しない。

5. 分離子:何を保存するかが、どの平均かを決める

四つが一つの族の四点なら、どれを選ぶかを決めているものは何か。それは入力ではない。

検算 5.1:$x=(2,8)$ について、両方の要素を平均で置き換えたとき、四つの量のうち何が変わらないかを測る。

置き換えた値 $\sum 1/x_i$ $\prod x_i$ $\sum x_i$ $\sum x_i^2$
もとの $x=(2,8)$ $0.625$ $16$ $10$ $68$
調和平均 $3.2$ $\mathbf{0.625}$ $10.24$ $6.4$ $20.48$
幾何平均 $4$ $0.5$ $\mathbf{16}$ $8$ $32$
算術平均 $5$ $0.4$ $25$ $\mathbf{10}$ $50$
二乗平均 $5.8309519$ $0.34299717$ $34$ $11.661904$ $\mathbf{68}$

表は対角である。どの平均もちょうど一つの量を保ち、残る三つを壊す。

観察 5.2 (分離子) どの平均が正しいかを決めているのは、データではなく何を動かしてはいけないかである。総和を守りたいなら算術平均、積を守りたいなら幾何平均、逆数の和を守りたいなら調和平均、二乗和を守りたいなら二乗平均。$p$ は測定から出てこない。$p$ は保存量の宣言から出てくる。

検算 5.3:二年ぶんの成長率が $1.5$ と $0.5$ のとき、二年後の値は $0.75$ である。

使った平均 値 二年後の予測
真の値 、 $0.75$
幾何平均 $0.866025$ $0.75$
算術平均 $1.0$ $1.0$($+33.3\%$ のずれ)

ここで守るべき量は「積」である。算術平均はそれを守らないので、二年後の値を作り出してしまう。

6. 取り違えた平均は「だいたい合う」ではない

検算 6.1:同じ道を行きは $v_1$、帰りは $v_2$ で走ったときの平均の速さは調和平均である(守るべき量は総時間)。算術平均を使ったときのずれを測る。

$v_1$ $v_2$ 正しい値(調和平均) 算術平均 比
$60$ $60$ $60.000000$ $60.000000$ $1.0000$
$60$ $90$ $72.000000$ $75.000000$ $1.0417$
$30$ $90$ $45.000000$ $60.000000$ $1.3333$
$30$ $300$ $54.545455$ $165.000000$ $3.0250$
$30$ $3000$ $59.405941$ $1515.000000$ $25.5025$
$30$ $10^{9}$ $59.999998$ $500000015$ $8333333.8333$

ずれは有界ではない。「近い値を返す」どころか、比は好きなだけ大きくできる。

観察 6.2 (正しい答のほうは有界である) $M_{-1}(v_1,v_2)=2v_1v_2/(v_1+v_2)=2v_1/(1+v_1/v_2)$ であるから、$v_2$ をどれだけ大きくしても正しい答は $2v_1$ を超えない。

$v_2$ 調和平均 $2v_1-{}$調和平均
$10^{3}$ $58.2524271844660194$ $1.74757$
$10^{6}$ $59.99820005399838$ $0.00179995$
$10^{12}$ $59.9999999982$ $1.8\times10^{-9}$
$10^{30}$ $60.0$ $1.8\times10^{-27}$

帰りを瞬間移動にしても、往復の平均は行きの速さの二倍に届かない。算術平均はこの上限をまったく知らない。$v_2$ に比例して無限に伸びていく。

観察 6.3 取り違えた平均は「精度が落ちる」のではない。有界な量を非有界な量で置き換えている。両者は同じ種類の数ですらない。

7. 破れる柵は、等号ではなく「正であること」

第3節で、等号の柵は一つしかないことを見た。ではこの体系で破れうる柵はどこにあるのか。等号条件は破れない。それは定義から従う。破れるのは定義域である。

検算 7.1(零を入れる):

$x$ 調和平均 幾何平均 算術平均 二乗平均
$(1,4,0)$ 定義されない $0$ $1.666666667$ $2.380476143$
$(1,4,10^{-12})$ $3.0\times10^{-12}$ $0.0001587401052$ $1.666666667$ $2.380476143$

順序は保たれているが、調和平均は最小の要素ひとつに引きずり落とされる。$10^{-12}$ の要素が一つあるだけで、調和平均は $3\times10^{-12}$ になる。他の要素がいくつあっても関係がない。

検算 7.2(負を入れる):

$x$ 調和平均 幾何平均 算術平均 二乗平均
$(1,4,-2)$ $4.0$ 実数でない $1.0$ $2.6457513$
$(5,1,-3)$ $3.4615385$ 実数でない $1.0$ $3.4156503$
$(2,3,-1)$ $-18.0$ 実数でない $1.3333333$ $2.1602469$

順序そのものが逆転する。$(1,4,-2)$ では調和平均 $4.0$ が算術平均 $1.0$ を上回り、$(2,3,-1)$ では調和平均が $-18$ まで落ちる。どちらへ壊れるかも決まっていない。

観察 7.3 (柵の住所) この体系で破れうる柵は「入力が正であること」である。等号条件は柵ではない。それは定義の帰結であって、仮定ではない。正であることは仮定であり、外せば結論が消えるどころか逆向きの結論が出る。論文171 が最小二乗の柵を正規性ではなく線形性と特定したのと同じ形で、平均の順序を囲っている柵は等号条件ではなく正値性である。

観察 7.4 本稿は「負の値では平均を使うな」とは言わない。算術平均も二乗平均も、負の値のもとで定義されており、何も壊れていない。壊れるのは四つを並べた順序である。つまり壊れるのは個々の道具ではなく、道具どうしの関係のほうである。

8. どちらの端が答を握っているか

検算 8.1:$x=(1,1,1,t)$ として $t$ を両方向へ動かす。

$t$ 調和平均 幾何平均 算術平均 二乗平均
$10^{-6}$ $3.999988\times10^{-6}$ $0.03162278$ $0.7500002$ $0.8660254$
$10^{-3}$ $0.003988036$ $0.1778279$ $0.75025$ $0.8660255$
$0.1$ $0.3076923$ $0.5623413$ $0.775$ $0.8674676$
$1$ $1.0$ $1.0$ $1.0$ $1.0$
$10$ $1.290323$ $1.778279$ $3.25$ $5.074446$
$10^{3}$ $1.332889$ $5.623413$ $250.75$ $500.0007$
$10^{6}$ $1.33333288889$ $31.62278$ $250000.8$ $500000.0$

$t$ を $0$ に落とすと調和平均だけが道連れになり、$t$ を大きくすると算術平均と二乗平均だけが道連れになる。調和平均は $t\to\infty$ で $4/3$ に頭打ちになる。$t=10^{6}$ で $1.33333288889$ である。

観察 8.2 $p$ の符号は「標本のどちらの端が答を握るか」を決めている。$p$ が負なら小さいほうの端、正なら大きいほうの端である。論文136 は指数平均が稀な経路の裾に握られていることを測った。経路の $4.3\%$ が平均の $95.2\%$ を運ぶ。あれは $p$ を大きく取ったときに起きることの、熱力学における一例である。

観察 8.3 ゆえに「どの平均を使うか」は「どの端の情報を捨てるか」でもある。論文136 が引いた線(イェンセンの不等式は分布の平均しか使わず、分布の形を捨てている)は、ここでも同じ形で効く。

9. 点呼と結び

本稿が確かめたことを並べる。

  1. 四つの平均は $M_p$ の $p=-1,0,1,2$ である(検算2.1、差ゼロ)。一本の連続体の四点であり、両端は最小値と最大値である(検算2.2)。
  2. 等号の柵は三つではなく一つ(検算3.1):三つの隙間は同時に、比 $1:1:1$ を保って消える。
  3. 柵の近くでは等間隔、遠くではそうでない(検算4.1):$1.0000$ 対 $5.0500$。理由は $M_p$ が二次までで $p$ の一次式だからである(検算4.3)。
  4. 分離子は「何を保存するか」(検算5.1):四かける四の表は対角である。
  5. 取り違えは近似ではない(検算6.1):比は $8333333.83$ まで開き、正しい答のほうは $2v_1$ で頭打ちになる(観察6.2)。
  6. 破れる柵は正値性(検算7.2):負の値ひとつで順序が逆転する。
  7. $p$ の符号はどちらの端が答を握るかを決める(検算8.1)。

結び:「平均をとる」と言われたら、次に問うべきはどの量を動かしてはいけないのかである。その一問に答えれば $p$ は決まり、平均は選ぶまでもなく決まっている。逆にその一問に答えないまま平均をとると、四つのうちどれを使ったかによって答が変わる。そして本稿が測ったとおり、その差は「だいたい合う」の範囲に収まってくれない。不等式 $M_{-1}\le M_0\le M_1\le M_2$ は、その事情を四つの記号の下に隠している。記号は三本あるが、柵は一本しかなく、そしてその一本は破れない柵のほうである。

参考文献

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  6. 山岸勇輝 (2026). 二乗の点呼 [論文157]. Zenodo. 10.5281/zenodo.22091931
  7. 山岸勇輝 (2026). ルベーグが買ったのは、クラスの大きさではなく、極限で閉じることである [論文168]. Zenodo. 10.5281/zenodo.22093320
  8. 山岸勇輝 (2026). 最小二乗を囲っている柵は、正規分布ではなく線形性である [論文171]. Zenodo. 10.5281/zenodo.22094287
  9. 山岸勇輝 (2026). 量化子の順序が、中身のすべてである [論文177]. Zenodo. 10.5281/zenodo.22098103
  10. 山岸勇輝 (2026). 「次元の呪い」は一つの呪いではない [論文182]. Zenodo. 10.5281/zenodo.22104170
  11. 山岸勇輝 (2026). 「稀」は、対数の目盛りで測る [論文190]. Zenodo. 10.5281/zenodo.22106182
  12. 山岸勇輝 (2026). 結合した二つの費用は、別々に見積もって足せない [論文193]. Zenodo. 10.5281/zenodo.22106668

作成にあたって:本稿の着想と内容は、著者自身の考察に基づくものです。文章の構成整理や英訳、数式の確認には AI(大規模言語モデル)の助力を得ました。最終的な内容の解釈や誤りがあれば、それらはすべて著者の責に帰します。お気づきの点があれば、ご教示いただければ幸いです。

書誌

山岸勇輝(2026)「四つの平均は一つの族であり、等号の柵は一つしかない」[論文194]. Zenodo.
DOI: 10.5281/zenodo.22106809

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引用するとき

山岸勇輝 (2026). 四つの平均は一つの族であり、等号の柵は一つしかない [論文194]. YOI: https://www.yamagishiyuuki.com/yoi/194 ・ DOI: 10.5281/zenodo.22106809

Yamagishi, Y. (2026). The Four Means Are One Family, and There Is Only One Equality Fence [Paper 194]. YOI: https://www.yamagishiyuuki.com/yoi/194; DOI: 10.5281/zenodo.22106809

@misc{yamagishi2026yoi194,
  author = {Yamagishi, Yuuki},
  title = {The Four Means Are One Family, and There Is Only One Equality Fence},
  year = {2026},
  howpublished = {YOI: https://www.yamagishiyuuki.com/yoi/194},
  doi = {10.5281/zenodo.22106809},
  note = {Preprint, edition 1}
}
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