【論文924】マインスイーパの五分五分は見えている数字だけでは決まらず、盤に残る地雷の密度で傾く

要旨

マインスイーパで、見えている数字の制約を満たす解が二つあり、どちらも同じように見えることがある。本稿は、二つの 1 が「端の一ますと真ん中」「真ん中ともう一方の端」にそれぞれ地雷一個を課す場面で、真ん中が地雷である確率を、盤に残る未知のますと地雷の数を入れて数え、小さい盤の総当たりと突き合わせる。新しい定理も法則も主張しない。

第一に、見えている数字だけなら五分五分だが、盤の残りを入れると式が決まる。解は真ん中だけが地雷(一個)と両端が地雷(二個)の二つで、残りのますを $U$、残りの地雷を $M$ とすると、真ん中の確率は一個の解と二個の解の置き方の数の比で決まり、小さい盤の総当たり五組と分数として一致した(第2節)。

第二に、薄い盤では、地雷の少ない解が重い。$U=78$・$M=10$(密度 $0.123457$)で真ん中が地雷の確率は $\mathbf{0.886076}$、$U=60$・$M=9$ で $0.868852$、$U=100$・$M=20$ で $0.811881$ だった(第3節)。

第三に、濃い盤では、地雷の多い解が重い。$U=20$・$M=12$ で $0.476190$、$U=12$・$M=11$(密度 $0.733333$)で $\mathbf{0.230769}$ になり、ちょうど $1/2$ になるのは $U=2M-3$ のときだった(第3節)。

第四に、端のますの確率は、盤の残りの一ますと同じになる。七つの組すべてで、端が地雷である確率と盤の残りの一ますが地雷である確率は同じ値(例 $0.113924$)だった(第3節)。

第五に、分離子は、残りのますと残りの地雷の数を数えに入れるか入れないかである。入れなければ二つの解は同じ重さで五分五分、入れると解ごとの置き方の数が重みになり、密度で傾く(第4節)。

キーワード:マインスイーパ、条件付き確率、二項係数、地雷の密度、配置の数え上げ、制約充足。

射程(何を示さないか)

新しい定理も法則も主張しない。制約を満たす配置を数えて確率を出すこと、置き方の数が二項係数で数えられること、マインスイーパの判定の難しさ(NP 完全)は、いずれも既知である。必勝法を論じない。どこを開けるべきか、最初の一手を安全にする規則、確率の表は扱わない。場面は一つの型に限る。二つの 1 が三つのますに課す制約と、それに触れない残りのますだけを数える。盤の大きさは置いた値である。$U$ と $M$ の組は密度を動かすための値で、特定の難しさの盤の状況を主張しない。既刊との関係:論文470 は、精度九十九パーセントの検査でも陽性の九割が外れることがあることを示した。ここでも、見えている手がかりが同じでも、盤全体の地雷の割合という前もっての割合で答えが傾く。論文611 は、扉を替えて当たる確率が司会者の開け方で決まることを示した。ここでは、見えている数字の出方は同じでも、見えない盤の残りの数え方で確率が決まる。加えたのは、二つの解の重みを置き方の数の比として式にし総当たりと突き合わせたこと、七つの密度で確率を並べたこと、五分五分になる条件 $U=2M-3$ を出したこと、端のますと盤の残りの確率が等しいことを示したこと、分離子を「残りのますと地雷の数を数えに入れるか」に置いたことである。

1. 記法と問い

設定:並んだ三つの未知のます $x_1$・$x_2$・$x_3$ に、見えている二つの 1 が $x_1+x_2=1$ と $x_2+x_3=1$ を課すとする。解は $\{x_2\}$(地雷一個)と $\{x_1,x_3\}$(二個)である。それに触れない未知のますが $U$ 個、残りの地雷が全部で $M$ 個なら、どの配置も同じ重みとして、次のようになる。

$$P(x_2)=\frac{\binom{U}{M-1}}{\binom{U}{M-1}+\binom{U}{M-2}},\qquad
\frac{\binom{U}{M-1}}{\binom{U}{M-2}}=\frac{U-M+2}{M-1}$$

検算では、この式を $U+3$ ますに $M$ 個の地雷を置く総当たりと分数で突き合わせた。

問い:見えている数字が同じとき、真ん中が地雷である確率は何で決まるか。

2. 式と総当たり

計算 2.1:小さい盤の総当たり。

$U$・$M$ 式 総当たり
$6$・$2$ $6/7=0.857143$ $6/7$
$6$・$4$ $4/7=0.571429$ $4/7$
$8$・$3$ $7/9=0.777778$ $7/9$
$10$・$6$ $6/11=0.545455$ $6/11$
$12$・$4$ $10/13=0.769231$ $10/13$

観察 2.2 見えている数字だけなら五分五分だが、盤の残りを入れると確率は式で決まる。二つの解は見えている数字を同じように満たすが、残りの地雷を残りのますに置く置き方の数が違う。地雷一個の解では残りに $M-1$ 個、二個の解では $M-2$ 個を置く。

3. 密度を動かす

計算 3.1:七つの組。

$U$ $M$ 密度 $M/(U+3)$ $x_2$ が地雷 端 $x_1$・盤の残りの一ますが地雷
$78$ $10$ $0.123457$ $0.886076$ $0.113924$
$60$ $9$ $0.142857$ $0.868852$ $0.131148$
$100$ $20$ $0.194175$ $0.811881$ $0.188119$
$40$ $12$ $0.279070$ $0.731707$ $0.268293$
$30$ $16$ $0.484848$ $0.516129$ $0.483871$
$20$ $12$ $0.521739$ $0.476190$ $0.523810$
$12$ $11$ $0.733333$ $0.230769$ $0.769231$

真ん中の確率がちょうど $1/2$ になるのは $U=2M-3$ のとき($U=21$・$M=12$ と $U=9$・$M=6$ で $1/2$)だった。初級 $9\times9$・地雷 $10$ の配置は $\binom{81}{10}=1.8784\times10^{12}$ 通りである。

観察 3.2 薄い盤では地雷の少ない解が、濃い盤では多い解が重い。密度 $0.123457$ では真ん中が地雷の確率は $0.886076$ で、密度 $0.733333$ では $0.230769$ まで下がる。端のますの確率は、どの組でも盤の残りの一ますの確率と同じ値になった。

4. 分離子

観察 4.1 分離子は、残りのますと残りの地雷の数を数えに入れるか入れないかである。入れなければ二つの解は同じ重さで、真ん中は五分五分に見える。入れると、解ごとに残りへ地雷を置く置き方の数が重みになり、その比 $(U-M+2)/(M-1)$ が密度で $1$ より大きくも小さくもなる。

観察 4.2 言わないこと。どこを開けるべきか、必勝法、判定の計算の難しさ、実際の盤の確率の表は扱わない。示したのは、同じ見た目の五分五分が、見えない盤の残りの密度で傾くことである。

5. 点呼と結び

  1. 置き方の数の比 $(U-M+2)/(M-1)$(第1節):解の重み。
  2. 式と総当たりが五組で一致(計算 2.1):分数として。
  3. 密度 $0.123457$ で $\mathbf{0.886076}$(計算 3.1):薄い盤。
  4. 密度 $0.733333$ で $\mathbf{0.230769}$(計算 3.1):濃い盤。
  5. $U=2M-3$ で $1/2$(計算 3.1):五分五分の条件。
  6. 残りを数えに入れるか(観察 4.1):分離子・論文470・611。

結び:マインスイーパの五分五分は見えている数字だけでは決まらず、盤に残る地雷の密度で傾く。二つの 1 が課す制約の二つの解は、見えている数字を同じように満たすが、残りのますに残りの地雷を置く置き方の数が違う。薄い盤(密度 $0.123457$)では真ん中が地雷の確率は $0.886076$、濃い盤(密度 $0.733333$)では $0.230769$ で、ちょうど五分五分になるのは $U=2M-3$ のときだった。端のますの確率は、盤の残りの一ますと同じ値になった。分離子は、残りのますと残りの地雷の数を数えに入れるか入れないかである。既刊との位置:論文470 の前もっての割合が答えを傾ける型を盤の上で数え、論文611 の開け方ではなく、見えない残りの数え方で確率が決まる場面を置いた。正直に言えば、どこを開けるべきかは言わない。同じ見た目の五分五分が何で傾くか、そこまでである。

参考文献

  1. Kaye, R. (2000). Minesweeper is NP-complete. The Mathematical Intelligencer.
  2. 山岸勇輝 (2026). 『精度九十九パーセントの検査でも、陽性の九割は外れることがある』[論文470]. YOI: https://www.yamagishiyuuki.com/yoi/470 ・ DOI: 10.5281/zenodo.22733434
  3. 山岸勇輝 (2026). 『扉を替えて当たる確率は、司会者がどう開けるかで決まる』[論文611]. YOI: https://www.yamagishiyuuki.com/yoi/611 ・ DOI: 10.5281/zenodo.23014472

作成にあたって:本稿の着想と内容は、著者自身の考察に基づくものです。文章の構成整理や英訳、数式の確認には AI(大規模言語モデル)の助力を得ました。最終的な内容の解釈や誤りがあれば、それらはすべて著者の責に帰します。お気づきの点があれば、ご教示いただければ幸いです。

書誌

山岸勇輝(2026)「マインスイーパの五分五分は見えている数字だけでは決まらず、盤に残る地雷の密度で傾く」[論文924]. YOI: https://www.yamagishiyuuki.com/yoi/924

YOI 924第1版・2026年9月ビットコインに記録済み

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住所:https://www.yamagishiyuuki.com/yoi/924・CC BY 4.0・プレプリント(査読を経ていません)・ORCID 0009-0006-8587-3450

引用するとき

山岸勇輝 (2026). マインスイーパの五分五分は見えている数字だけでは決まらず、盤に残る地雷の密度で傾く [論文924]. YOI: https://www.yamagishiyuuki.com/yoi/924

Yamagishi, Y. (2026). A Fifty-Fifty in Minesweeper Is Not Set by the Visible Numbers Alone, and Tilts with the Density of Mines Left on the Board [Paper 924]. YOI: https://www.yamagishiyuuki.com/yoi/924

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